ゴールデンウィークに入りましたが、私にはこれといった予定がありません。今も病院に来てコラムを書いております。元来、行列に並んだり、人混みの中で揉みくちゃにされるのが得意ではないので、以前から大型連休には病院で雑務をしたり、読まないといけない資料を読んだりするか、少し早い時間からの飲酒を楽しんでいたような気がします。
他の同僚よりも仕事が遅かったので、20年以上前の外科医時代はほとんど休みの日も病院にいたように思います。以前にもコラムで書きましたが、パンツ30枚を病院に持ち込み、日の光を見ることのない“軟禁状態”は当たり前でしたから、休日にのんびりとした気分で朝から雑務をすることは、それほど苦に感じたことはありませんでした。誰もいない医局や病理の部屋で雑務をしていたような記憶があります。
我々外科医は、あまり「休み」といった概念がなく、土日に病院に出て患者さんの顔を見るのは当たり前でした。“休み”になっている日でも午前中に必ず病院に行き、受け持ちの患者さんの状態を把握してから病棟回診していました。気になる患者さんがいたら、外出や外食をしても出先では、5分に1回ほどポケットベルを確認し、食事をしていても料理の味も分かりません。呼び出しのベルがなれば、すぐに戻らなければならないという気持ちがありますので、病院にいて患者さんの近くにいた方が精神的には楽でした。
見えない鎖で繋がれた犬のように、感じたこともあります(笑)。ですから当時は、ほぼ毎日病院にいたような気がします。私がかなり小心者であったのも理由の一つです。特に真面目であったわけでも、正義感が強かったわけでもなく、お恥ずかしいですが、仕事が遅く、要領が悪かったというのが、病院に長くいた原因のように思われます。