若いタレントに相次ぐパニック障害…医師が語る“理解されない”心の病

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
(C)sato00-Fotolia
(C)sato00-Fotolia

 最近はストレス社会の影響のためか、私の知り合いにも同じ病気の方が何人もいるようです。私が医師という職業ということもあり、簡単に自らの病気に関して告白してしまうのかもしれません。人知れず悩みを抱えている人は多いようです。

 私が尊敬している人で同じ病気に苦しんだ先生がおられます。「医師という仕事」という本を執筆された南木佳士(なぎ・けいし)先生です。南木先生が医師になられたころ、肺がんは非常に治療が困難な時代で、確定診断を下せても治療の施しようない患者さんが多く、何百人もの患者さんの死を目の当たりにされたそうです。そして、ある日突然、パニック障害になられたとか。強じんな意志を持つ名医でも、そうなるのだと私は怖さを感じました。

 パニック障害の原因ははっきりとはわかっていませんが、過去のトラウマや大きな事件などがきっかけとなって、パニック発作が出現することもあるようです。繊細で心優しい人や、責任感の強い人がかかりやすいとも言われています。ただ医学的にみると、パニック障害になりやすい性格というのは特になく、どんな人でも発症する可能性はあるのです。

 心の病は目に見えない分、ギリギリまで我慢して急激に悪化するケースもあるようです。みなさんも大きな不安、ストレスなどがあれば、早いうちに友人、ご家族に相談に乗ってもらい、不安があれば専門の先生に受診することをお勧めします。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース