若いタレントに相次ぐパニック障害…医師が語る“理解されない”心の病

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
(C)sato00-Fotolia
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 若いタレントさんが相次いで活動休止することが発表されました。パニック障害。体に明らかな異常がなく、薬物の影響もない状況で、予期せず繰り返されるパニック発作を主な症状とする疾患です。パニック発作とは、原因が何もないのに、突然、激しい恐怖、強烈な不快感が出現する症状で、その高まりは数分以内にピークに達します。

 その際に、動悸、発汗、身体の震え、呼吸困難、このまま死んでしまうのではないか…といった恐怖感などの様々な症状が出現する心の病気のことです。この発作を何回も繰り返し、そのために「また、あの発作が起きたらどうしよう」と過度な不安(予期不安)が出現し、外出することも制限されてしまう病気、それがパニック障害(パニック症)です。初診時に確定診断を下すことは難しいとされています。

 正確な診断基準は存在しますが、似たような心の病もあります。心臓の病気であったり、甲状腺という体の代謝を司る臓器の病気や、副腎という重要なホルモンを放出している臓器の病気、耳や脳の病気なども除外しなければならないこともあります。詳細な問診が大切となり、過去の発作や、他の病気が隠れていないかを詳しく診察する必要があります。

 治療は、薬物療法が第一選択です。その他に、認知行動療法という薬を使わない治療を併用することもあります。認知行動療法とは、一言でいうと物事の捉え方、考え方に働きかけて気持ちを楽にするという治療法です。

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