「草食系より大阪府警」「ごめんですんだら警察いらんわ!!」など、数々の名コピーで知られる大阪府警の採用ポスターに、今年1~2月、アニメ「シティーハンター」の冴羽獠が登場して注目を集めた。クールな笑みを浮かべる冴羽獠のイラストに添えられた「この大阪府警には、お前のようなヤツが必要なのさ」というコピーは、就職先を検討中の若者に向けたものだと思われるが、一見すると、府警が冴羽獠に呼び掛けているようにも読み取れるところがミソ。府警さん、まさか裏社会の凄腕スイーパー(始末屋、掃除屋)にして「新宿の種馬」「もっこり男」と呼ばれるようなヤツを必要としているのか…?
という低クオリティーな冗談はさておき、皆さんご承知の通り、これは実に20年ぶりの新作となる長編映画「劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>」と府警のコラボである。映画会社からの持ち込み企画といい、2月8日の劇場公開に合わせ、1月中旬から2月末まで、大阪府内の駅や商業施設、交番などに計1500枚が貼り出された。
「すごい人気でした」と話すのは、警務部警務課採用第三係長。「就活世代の親の多くが『シティーハンター』世代なので、ターゲットに届いた感覚があった」。ちなみに、映画の公開日を示す「2019.2.8」の意味が分からず、府警には「この日に何があるんですか」という問い合わせも寄せられたという。それは問い合わせを装った府民なりのボケなのでは、という気がしなくもないが、野暮なツッコミはやめておこう。
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「シティーハンター」などの映画とのコラボポスターとは別に、府警は毎年度、警察官募集のポスターを制作している。2019年度の第1回採用募集に向けては、ファッション誌の表紙と見紛うデザインのポスターを発表。「大阪の街は俺達が守る!」と力強く謳う“特集”のキャッチコピーとともに、「給料もやりがいも右肩上がり!」「女性の定職にオススメ!」「実はスゴイ福利厚生」などの見出しが躍る。採用センター室長の越智慶司警視は「身近に感じられるデザインで、学生にも好評です」と胸を張る。