(続けて)
「たとえば、猫の場合、『美味しいエサが出てきて嬉しかった』とか、『キャリーケースに入れられたら、動物病院に連れて行かれて怖かった』とか『注射をされて痛かった』などといったことを記憶(学習)します」
■嫌な思い出はトラウマになることがある
-いい思い出と嫌な思い出には、違いがあるのでしょうか。
「猫に限らず、ヒトを含めた動物は、たった一度の嫌な思い出でも、深く脳裏に刻まれてしまうことがあります。一般に、嫌な思い出は生命が危機にさらされることと結びついているため、いい思い出に比べて、早く記憶してしまうと考えられています。猫の場合、虐待されるなど、非常に強烈な嫌な経験をすると、それが人間でいうトラウマになってしまうこともあるんです。逆に、人と一緒 に楽しい思い出を共有すると、その人に対して愛着を持ってくれます。人も楽しくて猫も楽しい、そんな時間をたくさん持てるといいですね」
取材協力:京都大学 CAMP-NYAN コンパニオンアニマルの心の動きを心理学の行動観察の手法を用いて調査・研究する「京都大学CAMP(コンパニオンアニマルマインドプロジェクト)」。CAMP-NYANは、猫に特化したチームです。
https://www.bun.kyoto-u.ac.jp/psy/camp2017/information.html