期間限定「船場のおひなさま」 絢爛豪華な桃の節句は必見です

國松 珠実 國松 珠実
尾嵜家のおひなさま。今上天皇の「即位の礼」を模して作られた立ち雛だ
尾嵜家のおひなさま。今上天皇の「即位の礼」を模して作られた立ち雛だ

 展示されるおひな様は、一点一点が手作り。人形の、上等の反物で作られたふっくらした着物生地や、細かい刺繍に目をみはる。色褪せもせず「よほど保存状態が良かったのでしょうね」と宗田家ゆかりの人たちに伺うと「いやあ、最近までずっと蔵に入れっぱなしだったので」というから驚きだ。「もう一度誂えようとすると数百万円するでしょうが、詳しいことは分かりません。桃の節句は、家庭の中のお祝い事の一つですから」と事もなげに言われてしまった。

 奥さんやお嬢さんたちのことを「ごりょんさん」「いとさん」「こいさん」などと呼ぶ「船場言葉」が飛び交っていた頃を知るひな人形たち。女の子の健やかな成長を願う親心と、当時の船場の繁栄ぶりをうかがい知ることができる、船場の春の風物詩だ。

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