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発酵調味料で生徒の胃袋つかむ! 岡山県の高校に、学校運営の学食オープン、夏休みは保護者も利用OK

山陽新聞社 山陽新聞社

 岡山県倉敷市の翠松高にひと味変わった食堂がある。名は「SUISHO BASE(翠松ベース)」。発酵調味料を生かしたメニューをそろえ、切り盛りするのは学校職員たちだ。健康に配慮した家庭的な味が、食べ盛りの生徒たちの胃袋をつかんでいる。

 昼過ぎになると、校舎の一角に生徒たちが次々と集まってくる。9月のある日の献立は、唐揚げと豚カツをメインにした定食と、教室や中庭で食べる生徒向けの弁当を合わせた6種類。翠松高のテーマカラーである緑色のエプロン姿のスタッフが、注文を受けるそばから手際よく料理を手渡していく。

 食堂のコンセプトは「発酵食品を使った体に優しい料理」。味付けには、手作りの塩麹(こうじ)やしょうゆ麹、甘酒などの発酵調味料を用いる。一番人気の唐揚げは、鶏肉を塩麹に漬け込んでから揚げることで肉のうまみを一段と引き出す。副菜の「インゲンのごまあえ」には甘酒を使い、優しい甘みを添える。

 価格は定食、弁当ともに各500円。友人と唐揚げが入った弁当を買いに来た3年前島帆乃花さん(17)は「どれもおいしくて、毎日来ている。ご飯が温かくて最高です」と笑顔を見せた。

 翠松高によると、かつては業者が運営する食堂があったが、10年以上前に営業を終えた。その後、生徒が校内で昼食を買える機会は、弁当販売に限られていた。

 そうした中、学校側で「生徒が生き生きと学校生活を送れるような昼ご飯を提供したい」との声が上がり、学校運営の食堂構想が動き出した。発酵調味料作りを趣味とする事務職員の岩崎知美さん(41)が中心となり、調理スタッフの確保など準備を進め、今年4月、教室を改修して調理場を備えた食堂を開設した。

 調理スタッフは小中学校の元給食調理員ら5人。学校での食事作りは慣れたもので、1日60食近くを限られた時間の中で提供する。学校側からは岩崎さんのほか、管理栄養士の資格を持つ職員も運営に携わり、通常業務と並行して献立作りや食材の仕入れなどを担っている。

 生徒が登校しない夏休み中には、新たな取り組みにも乗り出した。週3日営業し、保護者や近隣中学校の教員らに昼食を提供。地域にも食堂の存在を知ってもらう機会とした。

 発酵調味料作りの教室を開くなど、食堂を活用するアイデアはまだまだ広がる。岩崎さんは「食事を軸に、生徒はもちろん地域の皆さんが集う場所になれば」と願う。食堂の名前の通り、多くの人でにぎわう拠点を目指している。

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