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軽バンなのにEV!? ダイハツ「e-ハイゼットカーゴ」に乗って分かった意外な実力 ダイハツ、トヨタ、スズキの3社による共同開発車

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

e-ハイゼットカーゴは軽乗用車を超える乗り心地とハンドリング

ここまでコストダウンにつながる設計について触れてきたが、クルマとしての基本性能はしっかりと作り込まれている。車重がガソリン車より約300kg増加したことに合わせて、タイヤやサスペンション、ブレーキなどは新開発された。

また、衝突時に駆動用リチウムイオンバッテリーが損傷すると発火につながる可能性があるため、バッテリーは強固なカバーで保護されている。このカバーはボディの補強部材としても機能し、ボディのねじり剛性向上にも貢献している。

さらに、重量のある駆動用リチウムイオンバッテリーを床下に配置したことで、背の高い軽バンながらガソリン車より重心が低くなり、コーナリング時の操縦安定性も向上している。

こうした専用部品の採用に加え、ボディ剛性の向上と低重心化によって、e-ハイゼットカーゴの走行性能は大きく進化した。

まず驚かされたのは乗り心地だ。ガソリン車は軽商用バンらしく硬めのサスペンションを採用しており、空荷では路面の凹凸で跳ねやすい印象がある。一方、e-ハイゼットカーゴは多少の凹凸であればしなやかにいなし、不快な揺れを感じさせない。

リヤサスペンションからわずかな突き上げ感は伝わるものの、十分に許容できるレベルだ。むしろ、軽スーパーハイトワゴンのタントより快適に感じられた。荷物を積載した状態では、さらに乗り心地が向上しそうだ。

これだけ快適な乗り心地でありながら、タイヤは小型トラック用のLT規格を採用する。指定空気圧は前輪300kPa、後輪450kPaと高めで、本来なら乗り心地には不利な条件といえる。それでも快適性を高いレベルで実現している点は印象的だった。なお、新開発タイヤは横浜ゴム製だ。

さらに、このタイヤは約300kgの重量増にもかかわらず、摩耗寿命はガソリン車とほぼ同等だという。「BEVはタイヤの摩耗が早い」というユーザーのイメージを払拭する狙いもあるようだ。

ハンドリングも良好である。ボディ剛性の向上と低重心化により、コーナーでは素直にノーズが入り、安定した姿勢を保ったまま旋回する。ステアリングにもう少し手応えがあれば、さらに完成度は高まるだろうが、軽バンとしては十分に満足できるレベルだ。

ハンドリング性能は、軽スーパーハイトワゴンのタントを上回る印象を受けた。さらに、重心高はロールーフのミライース並みだという。

静粛性も高い。BEVであるためエンジン音がないことはもちろん、インバーター音もよく抑えられており、車内は非常に快適だ。ガソリン車のエンジン音やCVT特有の高周波音がないため、乗り換えればその静かさを実感できるだろう。

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