物価やサービス価格の上昇が続くなか、私たちのお金の置き場所はどう変化しているのでしょうか。株式会社Habitto(東京都渋谷区)が実施した「インフレ時代における貯蓄」に関する意識・行動調査によると、金融資産の7割以上を一般の銀行預貯金で保有している人が6割以上にのぼる一方、「一般の銀行口座に資金を貯め続けることをリスクと感じる」とした人は半数未満にとどまることが分かりました。
この調査は、全国の20〜50代の男女600人を対象として、2026年8月にインターネットで実施されました。
まず、生活費以外の「余裕資金の保有・運用方法」について尋ねたところ、「都市銀行や地方銀行などの普通預金口座への預貯金」(74.3%)が最多となりました。
一方、「ネット銀行などの高利回りの口座への預貯金」(24.2%)や「株式投資(国内株式、外国株式、投資信託など)」(22.8%)など、余裕資金を具体的な資産運用に回している人は一部にとどまりました。
また、「資産保有のバランス」については、「ほとんどすべてを一般の銀行(都市銀行や地方銀行)の預貯金で保有している」(39.2%)とした人が約4割を占め、依然として“預貯金主義”が強い傾向にあることが明らかになりました。
続いて、一般の銀行預貯金での保有割合が多い人に、その理由を尋ねたところ、「特に意識せず、これまでもそうしてきたから」(58.1%)と「元本が保証されていて安心・安全だから」(38.1%)に回答が集まり、物価上昇による現金価値の目減りリスクを認識せず「預貯金=安全」と勘違いをしている人が多い実態が浮き彫りとなりました。
では、実際に金融資産のどの程度を一般の銀行口座に預けているのでしょうか。
「保有するすべての金融資産に占める、一般の銀行口座への預貯金の割合」を尋ねたところ、「10割程度(ほとんどすべてが預貯金)」(33.9%)と「7~9割程度(大半が預貯金)」(31.5%)で6割超が金融資産の7割以上を一般の銀行預貯金で保有していることが分かりました。
相次ぐ値上がりが生活を直撃する中、「以前より物価が上がっている」と回答した人は全体の82.7%。
一方で、「一般の銀行口座に資金を貯め続けることをリスクと感じる」とした人は48.7%にとどまっており、銀行の預貯金金利が物価上昇(インフレ)に追いつかず実質的に現金価値が低下する「インフレ負け」が発生しているにも関わらず、そのリスクに半数以上が無自覚な実態が明らかとなりました。
こうした「インフレ負け」リスクに気付かず、従来の銀行預貯金を「最も安全な方法」と感じている人や、「当たり前のこととしてそのまま貯め続ける」人がいる一方、「物価高などで実質的なお金の価値が目減りしていく危機感がある」(25.2%)や「見直しが必要と感じている」(19.2%)など、インフレ負けに対する懸念やお金の保有方法に見直しの必要性を感じている人は合わせて44.4%となりました。
お金の保有方法に見直しの必要性を感じている層に対し、「銀行口座に預貯金を置いたままにしている理由」を聞くと、「危機感はあるが、具体的にどう動けばいいかわからない」(41.0%)や「資産が減っていくのを放置している後ろめたさがある」(28.6%)が上位に挙がり、危機感や後ろめたさを抱えながらも、具体的な解決策を見出せずに足踏みしているジレンマが浮き彫りになりました。
最後に、「これからの時代における理想のお金の置き方」を尋ねたところ、「従来通りの銀行預金で保有したい」(18.7%)を上回り、「リスクは抑えつつも、できるなら少しでも資産を増やしたい(守りながら育てたい)」(48.5%)が最多となり、新しい貯蓄に対する潜在的な需要の高さがうかがえました。
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調査結果について、家計再生コンサルタントで株式会社マイエフピー代表の横山光昭氏は、「預貯金には元本が保証され、必要なときに使えるというメリットがあるため、預貯金=悪と考える必要はない」とコメントしています。
そのうえで、インフレが続く環境では、「銀行口座に置いているだけで必ずしも安心とは言い切れない」と指摘。
「これまでそうしてきたから」という理由だけで預貯金を続けるのではなく、お金を「使う・貯める・増やす」の3つに分け、それぞれの目的に合った置き場所を考えることが大切だとしています。
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【出典】
▽貯蓄の窓口 by Habitto調べ