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脳梗塞になり要介護5の76歳母→何もできず、つまらなさそうだったのに… 別人のような姿に、応援の声続出「推しがいるっていい」「年齢関係ない」

太田 真弓 太田 真弓

脳梗塞を患った要介護認定5の76歳の母親・初音さん。ベッドに寝たまま、「韓国の推し」を応援する姿に、アイドルのファンからも応援の声が届き続けています。娘さんにお母さまの「推し活」と「介護」についてお話をお伺いしました。

母親の推し活動画をInstagramに投稿したのは次女さん(@hatsuchama)。夜22時、壁面に沿って設置された大画面TVのすぐ横には介護用ベッドが設置されていて、寝ながらライブ動画を鑑賞。最愛の推しは韓国のアーティストBTS。特徴的なダンスで人気の楽曲「뱁새ベプセ」 にあわせて掛け声を口ずさんでいます。

翌日には歌って踊るBTSメンバーに合わせてベッドの上からノリノリで右手を上げ下げする姿が。この日は訪問診療の先生から、「血圧はね、適度な運動で下がりすぎなくなるから腕を動かすとかやってくださいね」とちょうど言われたところ。「めっちゃやってんじゃーん!!!」と次女さんもつっこんでいます。

お母さまは2023年11月に倒れ、脳梗塞を発症。半年間の入院を経てご自宅で療養後、次女さん宅へ。左の半身麻痺度は100%のため、1人で生活はできず、寝返りはもちろん、起き上がる、立つ、歩くなど基本動作は無理で全て介助になるそうです。

脳が疲弊しやすく、考えるのに時間がかかったりするものの会話には問題ないそう。ただし、お顔の左側の麻痺があるので、発音がはっきりしない時や正確に聞き取れない時もあるとのこと。

ご自身の仕事と介護の両方を行うワーキングケアラーとしてお母さまをサポートしている次女さん。「要介護5でも自宅で楽しく過ごしています」と綴るお母さまの推し活の様子など、詳しくお話を聞きました。

歌声を聴いただけで身体を動かすように

――お母さまがBTSを推すようになったきっかけは?

Dynamiteが爆発的にヒットし、情報番組で初めて観た時に好きになったようで、倒れる前の話です。歌唱力・ダンスのスキルが極めて高いことに感銘を受け、尊敬し、その上見た目がイケメンすぎてロックオンしていました。

――いつもTV画面で推し活を?

退院して実家の時からリビングではBTS鑑賞、寝室ではYouTubeの音だけを聴いていました。テレビをつけていてもつまらなさそうにしていて、頭も下がってしまっていました。

BTSにすると顔を上げて大きな声で歌う、腕で振りをつけるといった活動をしてくれるのがわかってきたので、なるべく覚醒時間を増やして身体や頭を使うようにしていたら、BTS見放題の生活になりました。

最近は「時事ネタを知る」「今何時かを把握してもらう(アナウンサーが読み上げる時間を聞く)」というリハビリもあるため、朝一番は民放を見て、起き上がったらBTSに変えます。

お昼ご飯前にまた民放をちょっと→BTS、夕方にまた民放を少し。22:30頃には強制的に消しますが、民放以外はBTSです。私が不在で留守にする時はもちろんBTS見放題。 さすがにリハビリの時はテレビは消していますのでそこは見ていません。

――推しのメンバーやお気に入りの楽曲などは?

母はハコ推しです。正確に顔の違いなどの認識はできていないかと思います。楽曲はSWIMが今一番好きかもしれません。その他にNORMAL、Dynamite、Anpanman、IDOLも好きです。BTSは声で認識しているみたいなので、彼らの曲なら全て好きなようです。歌声を聴いただけで、それまで無言だったのに、一緒に歌い出すなどのアクションに変わります。

――明らかに身体の動きに変化が。

脳梗塞発症が脳の右側で、言語機能は維持できたものの、帰ってきた当初はふにゃふにゃの人形みたいでした。首も安定していなくて扱いに困ったほどです。その頃を考えると、今の様子は別人のように元気になったと思います。

退院するときは、今のようなことを全て「できない状態」でしたし、歩くなどのリハビリも「立てればいいのにね」が家族のせめてもの希望でした。でも今はそこから更に進んで「歩けるようになろう」が母の目標です。

そして、母にとって毎日の生活の楽しみ方が確立されました。動画をもっと観たいのだそうです。夜も眠くないうちに消すと「あーぁっ!」「あぁ~あっ!」と子どもみたいに声をだして愚痴を表現しています。

――推し活を通して、できるようになったことが増えたと。

食事に関しても、ご飯はスプーンで食べます。こぼしますし、距離感もたまに誤るので、お皿じゃないところにスプーンを持っていったりすることもありますが…。

飲み物もコップから直接飲もうとすると左側からこぼれたりしますし、首の可動域も少ししかないので、頭を持ち上げてグイッと飲むことはできませんが、最近はストロー飲みになり、ある程度の量を口の中に含ませて飲めるようになりました。そのおかげで以前より1日の水分摂取量が増え安心しています。

――推しの力は偉大ですね。

訪問リハビリをしても回復しないだろうと誰もが思っていました。ケアマネさんやヘルパーさんが、「マッサージで十分じゃないのか?」と考えていた父を説得して、リハビリの先生を呼ぶようになりました。 

訪問診療医の先生をはじめ、皆さん母の推し活の状況は200%把握済みです。ヘルパーさんは一緒に見て楽しみながらケアしてくれています。名前を覚えたり自宅で同じようにYouTubeを見て勉強のつもりがハマってしまったそうで、母と推し活しています。 

――今後、お母さまがやってみたいことなどは?

母はライブに行きたいそうです。外でのリハビリができるようになったら、車に乗る練習を行う予定です。

母は福祉車両でなく普通の車の助手席に乗りたいと話しているので、私もそのつもりで車椅子が楽に入るサイズの普通車に乗り換えました。次にBTSが日本に来てくれた時にはぜひ連れて行ってあげたいです。

――毎回投稿にたくさんの反響が寄せられていて、なかでも海外からのコメントが多いのもARMY(BTSの公式ファンネーム)の輪ならではだなと感じます。

世界中のARMYの皆さまから「頑張れ」「今日も楽しんでますね」「長生きしてね」「今日も可愛い」「神さま、このおばあちゃんに力を貸してあげて」などなど、たくさんの優しい、温かい言葉と応援が届いていて、感謝しても感謝しきれない感動で毎日を送っています。

同時に私にも温かいお言葉を下さる方も多く、人は誰かに見守られ支えられることで頑張れるんだなと改めて思います。いつもありがとうございます。

今後も母が1日でも1秒でも長く楽しく生活していけるよう、あらゆる角度からサポート(介護)していきます。ライブ会場で母の仲間(ARMYの皆さま)にお礼を言える機会が訪れたら幸せですね。

◇   ◇

次女さんが発信する投稿には、
「推し活に年齢が関係ないとこが判明ですね 楽しみがあるっていい事だよねぇ」 
「素敵~ 推しがいるってやっぱりいいね」
「すごいすごい 推し活ってすごい!がんばれー♪」 
「新たな介護域 楽しく生きるに限る。参考になります」
「元気もらいました! 訪問診療していますし、介護の経験もあり、お母様の推し活に感動」
「God bless her. A kind hearted lady with a beautiful heart. (神の祝福がありますように。心優しく、美しい心を持った女性)」
「Best treatment best therapy.(最良の治療、最良の療法)」
「Bless her heart. Her heart is still young.(彼女に幸あれ、彼女の心はまだ若いです)」
など、日本の方だけでなく、英語をはじめ、スペイン語やポルトガル語など、投稿を目にした世界中のARMYたちからのエールが続々と寄せられています。

BTSの存在が間違いなく生きるエネルギーとなっているお母さま。投稿を見た誰もがお母さまの推し活を全力で応援したい気持ちになります。コールに合わせて声を出し、振り上げる右手は既にアミボム(公式ペンライト)を持っているかのようです。

ずっと支え続ける次女さんの温かい介護でお母さまも安心しておられるだろうなと感じました。2027年にも日本での追加公演が予定されているBTS。会場で会える夢が叶いますように。

■初音ちゃんInstagram(次女さん管理) https://www.instagram.com/hatsuchama/
■次女さんによる介護記録 https://www.instagram.com/hatsuchama_kaigo/

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