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AIで作業が楽になったはずなのに…なぜか疲れる じわじわ広がる「AI疲れ」 対処法は…5分で書けるメールなら自分で

平藤 清刀 平藤 清刀

メールの作成や資料の下書きなどで、生成AIを使う機会が増えている。プロンプト(指示)を与えれば瞬時に回答を出してくれるため、業務の省力化が進んだと感じる場面も多い。一方で、AIを使い始めてから疲労感を覚える人が少なくないという。その背景には、AIの生成物が正しい内容なのかを確認したり修正したりといった、新たな負担を抱えるようになったことが挙げられる。

AIエージェントの開発・提供を行うテックタッチ株式会社の広報担当者(以下、担当者)に、「AI疲れ」が起こる現場の実態とその背景を聞いた。

「AI疲れ」のはっきりした定義はまだない

担当者によると、「AI疲れ」を一言で言い表す定義は、まだないとのこと。

「わかりやすくまとめると、AIが人に代わって考えたり書いたりしてくれるはずなのに、AIに任せきれない『確認』『判断』の役割を、人間が担い続けることで生まれる負荷のことです」

肉体の疲労というより、AIの生成物に対して「これで正しいのか」を確認したり判断を繰り返したりすることで、気力をじわじわ削られる疲れだという。

生成AIは、普段使っている言葉でプロンプトを与えれば、短時間で文章や資料をつくってくれる。だが、もっともらしい嘘をつく「ハルシネーション」という現象も、まだまだ少なくない。だからこそ、出力された内容が正しいのか、目的に合っているのかは、人間が見て判断する必要がある。

メールや資料を書く時間そのものは短縮されても、確認や修正にかえって時間を取られてしまうため「仕事が進んだ」という実感がわかないのだ。

「CHOIXの調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000070153.html)では、AIによって業務が『とても楽になった』と感じている人でも、そのうち6割超の人が疲れを感じていました。その理由の中で『確認と判断の繰り返し』が、最も多くを占めていたのです」

楽になったはずなのに時間はかかるし疲れも溜まるし

では、具体的にどのような状態を「AI疲れ」と呼ぶのか。

例えば、メールの返信だ。自分で書いたら5分で済むのに、文案を考えるのが面倒だから生成AIに任せる。たしかに、きれいに整った文章が出来上がってくる。だが、ハルシネーションの恐れがあるため、そのまま送るわけにはいかない。結局、人の目で内容が正しいか確認したり、表現を調整したりする作業は省けない。これでは、自分で書くより時間がかかってしまう。

「急がば回れならぬ、『急いだつもりが遠回り』になってしまう典型的なケースですね」

これと同じ構造は、部下が生成AIで作成した資料を上司が確認する場面でも見られる。数字は正しいか、出典は確かなのか、図表と本文の内容が合っているかなどを、ひとつひとつ確認しなければならない。

「原因の根本には、日々の仕事にAIがうまく組み込まれていないことがあると考えています。この先、AIが判断や実行までこなす『エージェント型AI』が広がれば、『どこまで任せるか』を判断する負担も積み重なっていくでしょう」

また、日々の業務の中で、生成AIを使えるようにする仕組みが整っていないことも問題だという。「AIを育てる責任」が個人に委ねられているせいで、「プロンプトをどう打てばよいか」「生成AIに、どこまで任せてよいか」を手探りで学ばなければならない。そのため、AIから得られる出力の質にばらつきがあるのだ。

「当社調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000449.000048939.html)でも、現場主導の推進はわずか17.2%でした」

個人の頑張りだけでは「AI疲れ」から解放されない

「AI疲れ」の背景が分かれば、対処法も見えてくるはず。その第一歩が「AIを使わなければいけない」という意識を取り払うことだ。

「5分で書けるメールなら、自分で書いたほうが早いです」

AIを使う場合でも、数字や固有名詞など重要な部分はしっかり確認し、アイデア出しや下書きは「叩き台」と割り切るなど、チェックにメリハリをつけることが大切とのこと。

「どこまでをAIに任せ、どこから人が判断するかを決め、現場の声を踏まえて見直していく。個人のAIスキルや頑張りだけに頼らない仕組みづくりが、AI疲れの予防につながると考えています」

生成AIは、たしかに頼れる相棒だ。ただし「きちんと育てる」という前提があればこそ。「どうぞ自由に使ってください」と渡すだけでは、使う頻度が高い人ほど多くの試行錯誤を背負ってしまう。

人間がもっと頑張ってAIを使いこなすのではなく、頑張らなくても使える仕組みづくりが必要ではないだろうか。

   ◇  ◇

▽テックタッチ株式会社
https://techtouch.jp/

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