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生成AIを活用してOKだが…課題を出した1分後に提出されたレポートは的外れ 大学教員の嘆き「内容を確認しない姿勢が問題」 

山岡 もと子 山岡 もと子

「レポート課題を出した1分後に1000字程度のレポートを出してきた学生が数人おり、かなり不愉快である」——。

ある大学教員が7月2日、Xに投稿した嘆きが話題となり、11万件を超える「いいね」が集まっています。

投稿したのは、情報概念や情報科学の哲学的研究をしている榎本啄杜さん(@enomoto_system2)。生成AIが身近になった今、課題文をプロンプト(生成AIへの指示文)に入力すれば、レポートは一瞬で出力されます。ただ、数分で提出されたレポートは軒並み的外れな内容だったとのこと…。投稿の真意について話を聞きました。

職場全体ではなく、一研究者の意見として、榎本さんは「AIの使用自体を問題視しているわけではない」と述べたうえで、「出力された文章を一切確認せずに提出していることや、内容を確認していないことが分かる状態で提出していることにショックを受けています」といいます。

問題視しているのは生成AIを使ったことではなく、「自分で内容を確かめず、そのまま提出してしまう姿勢」です。

生成AIの出力は「必ず正しいとはいえない」と、榎本さんは指摘します。レポート課題の目的はあくまで「知識・スキルを身につけること」であり、「クイズの正解を当てること」ではないのです。

実際、生成AIの利用が疑われるレポートには、授業で扱っていない内容を「授業で学びました」と書いていたり、「論理学」の課題なのに「倫理学」の内容がびっしりと書かれたりしたそうです。

「AIを使っているかどうかは断定しませんし、『疑わしきは罰せず』というスタンスです。ただ、提出前に内容を確認していないことは確かなので、不信感を抱いてしまいます」

榎本さんの投稿には、多くの反響がありました。教員からは「同じ経験がある」という声が届いたほか、「問題はAIそのものではなく『確認プロセスの欠如』」「AIの活用力よりも、AIの出力に最後まで責任を持てるかどうかが、これからは評価される能力なのかもしれませんね」と、今後求められる力に触れた声も見られました。

「壁打ち相手としては優秀」AI時代も求められる力は変わらない

そもそも榎本さんは日頃から、生成AIを「積極的に活用してほしい」と学生に伝えています。

「授業は、学生に知識・スキルを身につけてほしいから行っています。その有効な手段として生成AIが使える以上、全面禁止するのは本末転倒。壁打ち相手(考えを整理するために意見をぶつける相手)としては、かなり優秀です」

ただし「適切に使えば」という条件付きです。

一方で、生成AIの使用を疑われないよう、出力された文章をわざと下手に書き換えることに時間をかける学生もいるようです。この点を尋ねると「はっきり言って時間の無駄です」ときっぱり。「授業の目的は、知識やスキルを身につけること。表面的にごまかすテクニックは、その目的に何も寄与しません」

さらに、こう続けます。

「一瞬で答えが導き出せるといいますが、上手に質問しないと十分な答えは得られません。出力が本当に正しいのか、問いに高いレベルで答えられているのか、最終的に判断する責任は利用者側にあります。この判断力を養うには相応の訓練が必要で、学生に求められることは、実はこれまでとあまり変わりません」

その土台となるのが、体系的な基礎知識や、適切な根拠から飛躍のない結論を導き出す力。だからこそ、大学は価値ある場所だと語ります。

生成AIがさらに進化するなか、学生に次のようなメッセージを送ります。

「今後、現在の生成AIをはるかに超える、新しいものと出会うことになるでしょう。そのとき、コツコツと汎用的スキルを磨き続けてきた人と丸投げしてきた人では、対応力に差が出ます。せっかく大学に入学したからには、腰を据えて一度考えてみてはどうでしょうか」

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