反町隆史さんが主演の『GTO』リバイバル版の公開などをきっかけに、改めて注目を集めている平成ドラマ。ReBear合同会社(東京都目黒区)が運営するZ世代特化型マーケティング支援サービス『aZリサーチ』が実施した「平成ドラマの視聴実態・リバイバル現象」に関する意識調査では、平成ドラマが単なる“懐かしい作品”ではなく、SNSや動画配信サービスを通じて新たに発掘されるエンターテインメントになっている実態が見えてきました。
調査は、全国のZ世代(15〜28歳)100人を対象として、2026年7月にインターネットで実施されました。
調査の結果、平成ドラマを「昔から変わらず見ている」とした人は14%にとどまりました。一方で、「一度離れて最近また見るようになった」が30%、「以前より頻度が増えた」が9%、「ここ2年で初めて見た」が2%と、再び平成ドラマを見始めた人や、新たに見始めた人は41%に上り、平成ドラマを継続的に見ているというよりも、一度離れた後に、何らかのきっかけで再び作品に触れる「回帰型」の視聴が目立つ結果となりました。
「平成ドラマを見始めた・見返すようになったきっかけ」としては、「サブスクで配信されているのを見つけた」(39%)、「切り抜き動画を見た」(30%)、「SNSで話題になっていた」(24%)が上位に挙がりました。
また、「平成ドラマを視聴するサービス」では、「Netflix」(57%)、「Amazonプライム」(40%)、「TVer」(33%)がトップ3となった一方、「レンタルDVD」は4%にとどまり、現在は動画配信サービスが視聴環境の中心になっていることがうかがえます。
さらに、SNSで拡散される平成ドラマの切り抜き動画がきっかけで「本編を見たことがある」とした人が58%に上り、「本編は見ていないが興味を持った」(26%)も含めると、切り抜き動画を見た人のうち84%が、本編視聴または興味を持つ行動につながっていることが分かりました。
過去のドラマを見返す理由として、出演俳優の存在も大きな影響を与えています。
「好きな俳優が出演していることが、過去のドラマを見返す理由になる」とした人は73%。「平成ドラマで想起される俳優」について、女性俳優は『アンナチュラル』(2018年/TBS)や『リッチマン、プアウーマン』(2012年/フジテレビ)に出演した「石原さとみ」さん(47%)のほか、「堀北真希」さん(11%)、「北川景子」さん(8%)がトップ3に。
男性俳優では、『トドメの接吻(キス)』(2018年/日本テレビ)、『陸王』(2017年/TBS)に出演した「山﨑賢人」さん(24%)のほか、「松本潤」さん(19%)、「山下智久」さん(16%)が上位にランクインしました。
現在好きな俳優の出演歴をたどり、過去作品に触れる。こうした「推し」を起点とした視聴も、平成ドラマの再発見を支える要素になっているようです。
平成ドラマを見返す理由として、作品のストーリー展開に魅力を感じる人も多いようです。
最近の国内ドラマについて、「王道でテンポの良い展開が減ったと感じる」とした人は56%。また、平成ドラマを見返す理由として「王道でテンポの良い展開」を挙げた人は63%と、6割を超える人が現在のドラマと平成ドラマの構成やテンポに違いを感じており、スピード感があり、先の展開がわかりやすい物語のなかで感情の起伏が明確に描かれる“王道のドラマらしさ”が、現在のZ世代には新鮮に映っている可能性がうかがえました。
さらに、平成ドラマの特徴として、現在の作品では描かれにくくなった表現や、現実離れした設定を挙げる声も見られました。
令和の作品では描かれにくい表現について、「面白い・新鮮」と感じる人は73%に上りました。一方、最近の国内ドラマについて、「コンプライアンスやハラスメント防止を意識した描写になったと感じる」と回答した人は91%。大多数が、ドラマの表現に対する配慮が強まったと感じています。
また、平成ドラマを見返す理由として「非現実的・インパクトのある設定が面白い」と回答した人は62%、最近の国内ドラマを「リアル・現実的すぎる」と感じる人も53%に上り、現実に寄り添った物語が支持される一方で、日常から離れた大胆な設定や、振り切った演出を楽しみたいというニーズもあることが明らかとなりました。
平成ドラマの魅力は、ストーリーや設定だけではありません。登場人物の感情表現にも、Z世代が惹かれていることがわかりました。
平成ドラマを見返す、または見たい理由として「登場人物たちのストレートな感情表現」を挙げた人は60%。さらに、平成ドラマの空気感に憧れを感じるかという問いでは、77%が「憧れを感じる」と回答しました。
憧れる部分としては、「まっすぐな感情表現」(61%)が最多となり、感情を率直にぶつける登場人物や、気持ちを言葉や行動で表現する人間関係が、平成ドラマならではの魅力として受け止められているようです。
友人や家族と同じ作品を見て、その内容について語り合う。かつては多くの人にとって身近だった、テレビドラマを通じたコミュニケーションにも変化が生じています。
「友人や家族と同じドラマを見て語る機会が減ったと感じる」とした人が82%に上った一方で、「誰かと同じ作品について語りたい」という気持ちが、平成ドラマを見返す理由になっている人は58%と過半数を超え、SNSで感想や考察を共有したり、過去の名シーンについて盛り上がったりすることで、平成ドラマが世代を超えて語り合える“共通言語”のような役割を果たしていることが示唆されました。
Z世代にとっての平成ドラマは、単なる「懐かしのコンテンツ」ではありません。
SNSやサブスクを駆使して自ら「発掘」し、自分たちが体験したことのない青春や、令和にはないストレートな熱量を追体験するための「新鮮なエンタメ空間」として、これからも多くの若者たちに愛され続けていきそうです。