SUV人気は今なお衰えを見せない。最近では、顧客ニーズに合わせてさまざまなタイプのSUVが登場している。その流れを受け、軽自動車でもSUVテイストを取り入れたクロスオーバーモデルが続々と投入されている。
その代表格ともいえるのが、2代目スズキ ハスラー(MR02系)だ。ハイトワゴンカテゴリーで高い人気を誇るモデルである。
一方、ハスラー(MR02系)の新車価格とほぼ同等の予算で狙えるようになったのが、同じスズキの1クラス上に位置するクロスビー(MN01系)だ。
クロスビーはコンパクトなボディながら、スズキの優れたパッケージング技術によって、クラストップレベルの室内・荷室スペースを実現している。
本記事では、ハスラー(MR02系)とクロスビー(MN01系)を徹底比較。購入後に失敗や後悔のないクルマ選びができるよう、両車の特徴や魅力をわかりやすく解説していく。
※クロスビーは2025年10月に大幅改良し、内外装デザインやエンジン、トランスミッションなどを刷新した。本記事では中古車を比較対象としているため、1.0Lターボエンジンを搭載する前期型を取り上げる。
【ハスラー(MR02系)がおすすめな人】
・とにかく燃費を重視したい
・維持費を抑えたい
・街乗りが中心
【クロスビー(MN01系)がおすすめな人】
・より広い室内空間を重視したい
・高速道路でのロングドライブを楽しみたい
ハスラーは軽クロスオーバーSUVの先駆け
▽スズキ ハスラー(MR02系)の特徴
初代ハスラーは2014年に登場した。ワゴンRをベースに、ハイトワゴンとSUVを融合させた新ジャンルの軽クロスオーバーモデルとして、瞬く間に大ヒット。その後、2020年に登場した2代目ハスラー(MR02系)は、キープコンセプトとしながらも、初代を大きく上回る性能を手に入れた。
オンロードからオフロードまで高い走行性能を発揮するため、バックドア、センターピラー、サイドドアでそれぞれ「環状骨格構造」を形成し、ボディ全体の剛性を向上。さらに、ボディのスポット溶接部にはスズキ初となる「構造用接着剤」を採用し、部品間のわずかな隙間を埋めて接合を強化した。これにより、優れた操縦安定性と乗り心地を実現している。
静粛性にも力が注がれている。こもり音や雨音を低減する「高減衰マスチックシーラー」を軽自動車で初採用したほか、防音材や遮音材を最適に配置。操縦安定性や乗り心地に加え、高い静粛性も兼ね備え、軽自動車トップレベルの快適性を実現している。
ハスラー(MR02系)のパワーユニットは、660cc直列3気筒DOHC自然吸気エンジンとDOHCターボエンジンの2種類を設定。自然吸気エンジンには新開発のR06D型を採用した。トランスミッションは新開発のCVTのみで、全車にマイルドハイブリッドを搭載。駆動方式は全グレードで2WDと4WDから選択できる。
運転支援システムは、歩行者や自転車、交差点内での衝突回避・被害軽減に対応する単眼広角カメラ+ミリ波レーダー方式の自動ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」を採用するなど、機能を大幅に拡充。ターボ車には、高速道路での運転負担を軽減する全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロールと、車線逸脱抑制機能を標準装備している。
クロスビーは優れた使い勝手を誇る万能クロスオーバーSUV
▽スズキ クロスビー(MN01系)の特徴
2017年12月に登場したクロスビー(MN01系)は、広い室内空間が魅力のハイトワゴンに、アクティブなデザインと高い悪路走破性を備えたSUVの要素を融合した、新ジャンルのコンパクトクロスオーバーワゴンだ。
クロスビー(MN01系)は、高いボディ剛性と軽量化を両立したプラットフォーム「ハーテクト」を採用。全高1705mmのハイトワゴンとは思えないほど、揺れの少ないしっかりとした乗り心地を実現している。また、最低地上高は180mmを確保。さらに、アプローチアングルやデパーチャーアングルも十分に確保することで、高い悪路走破性を備えている。ラゲッジスペースや後席背面、ラゲッジフロアには汚れを拭き取りやすい素材を採用するなど、アウトドアなどのアクティブなシーンでも気兼ねなく使える、防汚性に優れた機能的な装備が充実している。
パワーユニットは、最高出力99ps、最大トルク150N・mを発生する1.0L直列3気筒直噴ターボに、ISG(モーター機能付発電機)とリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを搭載。小排気量ながら1.5L自然吸気エンジン並みの力強い走りを実現するとともに、WLTCモードで17.0~18.2km/Lの燃費性能も達成している。
トランスミッションは駆動方式を問わず6速ATを組み合わせる。駆動方式はFFと4WDを設定し、4WD車はセンターパネルのスイッチでスポーツモードやスノーモードなどへ切り替えられる。
安全装備は、単眼カメラとレーザーレーダーを組み合わせた「デュアルセンサーブレーキサポート」を採用。さらに、超音波で後方の障害物を検知する後退時ブレーキサポートや、車両を真上から見下ろしたような映像を表示する全方位モニター用カメラパッケージ(3Dビュー付)を設定し、発進時や駐車時の安全確認をサポートする。
2020年10月には一部改良を実施。車線維持支援機能や全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール、夜間の歩行者も検知できるデュアルカメラブレーキサポートを採用した。また、後席左右のパーソナルテーブルやシート座面の撥水加工、防汚タイプラゲッジフロア、ステアリングオーディオスイッチなどを備えた新グレード「ハイブリッドMV」を追加している。
2022年の一部改良では、新デザインのメッキフロントグリルと切削タイプのアルミホイールを全車に採用。さらに、プレミアムUV&IRカットガラスやIRカット機能付フロントガラスを装備し、インパネ中央にはUSB電源ソケット(Type-A×1、Type-C×1)を追加するなど、利便性を高めた。
そして2025年10月には大幅改良を実施。フロントまわりを刷新し、角を丸めた四角をモチーフとしたデザインによって、SUVらしい力強さを表現した。インテリアも、革やステッチをモチーフとした加飾パネルや二段式センターコンソールを採用し、小型車らしからぬ上質感を演出している。
パワートレインは、スイフトなどに搭載される1.2L直列3気筒エンジン+マイルドハイブリッドとCVTへ変更し、燃費性能と走行性能を向上。運転支援システムも、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた「デュアルセンサーブレーキサポートII」を採用し、自動二輪車や交差点での検知に対応するなど機能を強化した。さらに、スズキコネクトにも対応し、緊急通報やリモートエアコンなどのアプリ機能も利用できるようになった。
なお、本記事での比較では、中古車市場で流通量の多い1.0Lターボエンジン搭載車を対象としている。