tl_bnr_land

教員や会社員から転職続々、陶磁器のプロ「即戦力」育てる学校とは 1時間で6個作る課題も「自己表現ではなく商品製造」

京都新聞社 京都新聞社

 陶磁器業界の即戦力を養成する京都府立陶工高等技術専門校(京都市東山区)が今年、80周年を迎える。成形と絵付けのコースに分かれる1~2年制で、清水焼の職人は大半が同校出身という。品質と速さを兼ね備えた商品製造を学べる場で、近年は会社員などからの転職希望者に人気。全国からの若者が土と向き合い、伝統産業の後継者が育っている。

 ろくろの前で若者たちがあぐらをかき、煎茶碗や湯飲みを黙々と仕上げていく。「1時間で6個」などの課題に挑み、手早く均一な仕事を目指す。

 1年久保亜美さん(26)=大阪府高槻市=は、中学校教員だったが「ものづくりを仕事にしたい。できることが一つ一つ増えて、やりがいがある」と手仕事に打ち込む。

 同校は1946年8月に五条坂で開校し、88年に京都女子大東側の現在地へ移転した。

 成形と絵付けのコースに分かれ、全校生徒は約60人。古くは窯元の子弟など地元出身が多かったが、京都の事業者減などで現在は府外が7割という。

 陶工への転職を望む20代の入校が多い。焼き物を学べる公共の職業訓練施設は同校と愛知県の1校に限られ、全国から出願がある。

 芸術系大学とは異なり「自己表現ではなく商品製造を学ぶ」と、前野浩貴訓練課長は方針を説明する。器を速く、均一に、数多く作る実習の反復を通じて腕が磨かれていく。

 手本をまねる課題を終えれば、自分で設計図を引いて製作する。校内に並ぶ卒業製作は青磁皿や仁清風の茶つぼなど力作ぞろいだが「身につくのは基礎の基礎」という。

 将来の独立を目指す生徒も多く、既に陶芸家になった人もいるが、基本的には窯元の職人として働き始める。ただ近年は京都での求人が限られ、半数が府外で就職している。

 反面、2千人を超える卒業者の強固なネットワークは日本中に拡大した。出身者同士の連携が生まれたり、後継ぎを同校で学ばせたりするなど窯業界のハブの一つになった。

 「全国的な求心力がある『都』らしい施設なのでは」と木村由美子副校長。清水焼の担い手を輩出するだけでなく「焼き物を修行するなら京都」との流れが生まれることで、産地としての地位向上につながっている。

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース