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漢字が覚えられない子、どうすればいい?学習障害支援アドバイザー「繰り返し練習」だけじゃない、適切な学び方とは 大学教授、行き詰まりの背景解説

山陰中央新報社 山陰中央新報社

 文字を何度も練習しているのに覚えられない、同じ間違いを繰り返す―。そんな子どもを、どのように指導すれば良いか。教員向け研修会で講師を務めた島根県立大人間文化学部の内山仁志教授=島根県LD(学習障害)支援アドバイザー=は「繰り返しの練習を求めることが、子どもの『学び』につながるとは限らない」と訴えた。

 参加者は事前に架空の国語テスト答案を採点し研修会に臨んだ。漢字の「林」にある縦線2本の下を、どちらも「はね」ていた場合や、反対に「水」「力」の「はね」の部分をはねていない答案をどう見るか―。

 字形の崩れや止め、はねを厳格に評価し、正確な再現を重視すれば得点は下がり、部分点(△)の活用や「意味が通じれば可」とすれば高得点になった。採点者次第で得点は大きく変動し、内山教授は「「得点は『結果』であり、背景に何があるのかを知らなければいけない」とした。

 文字を書く行為には、読む(字を見て音を思い出す)▽意味を理解する▽文脈に合わせて適切な漢字を選ぶ▽写す(手本を見ながら正確に形を再現する)▽想起(手本なしで必要な形を思い出す)▽実際に書く―の6要素があるという。

 内山教授は思うように書けない背景には、6要素のうちのどこかに行き詰まりがあると説明。誤答の傾向や練習ノートの筆跡などから、つまずき箇所の仮説を立て、教材作りに生かすことが大切だと訴えた。

 練習時に文字を「写す」行為が作業化している場合が多いとも指摘。テストで試される「想起」「文脈判断」といった能力と、ずれが生じていると問題視した。

 漢字全体を書かせるのではなく「部首のみ」「1、2画目のみ」を示し残りを書かせる、字をパズルのようにして正しい形に組み立てる力を見るなど、練習時から「想起」を鍛える工夫が必要とした。

 内山教授は「漢字練習の目的は書く回数をこなすことではなく、脳から情報を取り出す回数を増やすことだ」と説明。特定の子ども向けの工夫が、結果的にクラス全員の学びやすさにもつながると呼びかけ、子どもの「学び方」を見極めた上で、教材作りに取り組むよう求めた。

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