「私、力ないんで」。飛行機内で20代ぐらいの女性客が、自分の荷物を棚に入れようともしません。キャビンアテンダント(CA)が、キャリーケースを収納してもお礼を言わずでした。
そんな振る舞いを見て、ふと疑問を覚えた田中さん(仮名)がSNSでエピソードを投稿したところ、「自分で持ち上げられない荷物の持ち込みはNGでは?」という声も。
はたして飛行機内でのマナーとは? 投稿主と航空会社に取材しました。
田中さんが今回の件で気になったのは、「私もお手伝いします」とCAから補助を提案されても、聞く耳を持たず。結局、CAが2人がかりで荷物を収納しても無言。しかし、着陸し飛行機から降りる時は、CAにお願いせず自分で荷物を降ろしていた様子。友達と会話しつつ、スマホを操作しながら歩いて去って行く姿に疑問を抱いたのでした。
投稿には、
・自分は手伝ってもらっているけど、お礼は絶対大事
・日本ではいつから「お手伝いしていただく」が「やってもらって当然」になったのか
・力がなくて荷物を持ち上げられないなら、持ち込みではなく預け入れにすればいいのに
女性の態度や、持ち上げられない荷物を持ち込んだことへの非難が寄せられていました。
・自分で持ち上げられない荷物の持ち込みは禁止されている
・もうCAさんは荷物を持ち上げないという記事を見た気がする
・基本的にCAさんは荷物を入れるお手伝いはしなくていい
など、持ち込み荷物のルールに関するコメントもありました。
「やってもらって当然というような態度にショック」
「華やかなイメージを持っていたCAだったけれど、毎日苦労が絶えない仕事なんだと改めて尊敬の気持ちを持ちました」と語った田中さんに、どういった点が気になったのか。さらに詳しく聞きました。
「荷物を持ち上げられない事情があったにせよ、『私、力ないんで』だけではなく、もう少しCAさんに理解を得られやすいような説明があれば良かったんじゃないかなと思いました。
キャリーケースを持ち上げてくれるCAさんおふたりに、『お願いします』『ありがとうございました』など、感謝の言葉がなかったのも残念でした。収納してくれている姿も見ずに、女性は自分の席に着席していました」
違和感を覚えたのは、田中さんの日々の習慣にも理由があったそうです。
「私自身はコンビニなどのお店、交通機関を利用する際にスタッフの方や運転手さんにも必ずお礼を伝えますし、娘も常日頃一緒にお礼を言うようにしておりますので、やってもらって当然というような態度にショックを受けました。
人それぞれ目には見えない事情があって、人の助けを借りることは誰しもあるでしょうが、お金を払っているから当たり前ではなく、相手への感謝の気持ちを伝えることは大切なことだと思います」
航空会社の業界団体が今年3月、新ガイドラインを発表
今回、寄せられたコメントの「自分で持ち上げられない荷物の持ち込みは禁止されている」「もうCAさんは荷物を持ち上げない」も気になるところですが、本当なのでしょうか?
国内の航空会社19社(2026年8月現在)が加盟する業界団体「定期航空協会」は、今年3月、機内持ち込み手荷物に関する新たなガイドラインをプレスリリースで発表。要約すると以下のような内容に。
・機内に持ち込めるのは、身の回り品1個+手荷物1個の合計2個まで
・手荷物のサイズと重さは各航空会社が規定する(サイズにはハンドル・キャスター・車輪などを含む。重さは手荷物と身の回り品の総重量)
この従来の2つのルールに、新しく加わったのがこちらです。
・身の回り品のサイズは、前の座席の下に収納できる大きさの範囲内
・機内へは自分で上の棚に収納できるサイズ・重さの手荷物を持ち込むこと
今年の4月から適用され、新たなルールの目的は乗客のスムーズな搭乗と定時運航(時間通りの発着)の実現、手荷物の落下などに伴い乗客がケガをするリスクを減らし機内の安全を向上させることとしています。
田中さんが今回利用したのは「定期航空協会」に加盟している「ジェットスター・ジャパン」。
公式ホームページでは、「機内持込手荷物の条件について」明記し、「機内に持ち込まれたお手荷物は、お客さまご自身でお近くの頭上のロッカーにご収納ください」と記載されています。「持ち上げられない荷物の持ち込みは禁止されているのか?」などを、広報担当者に取材しました。