元料理人の島根県住みます芸人が、閉店予定だった島根県邑南町矢上の「ダイニングPOND(ポンド)」を引き継いだ。閉店を惜しむ声を多数聞き、奮起。吉本興業と連携して店舗に芸人を招く構想もあり「芸人経営の面白い店として町外からさらに人を呼び込む」と力を込める。
ピン芸人の奥村隼也さん(41)=島根県邑南町日和=は東京都のレストランで10年間働きながら芸人になり、2014年に住みます芸人になった。20年から同町の地域おこし協力隊として町内外の企業との食品開発に取り組み、任期終了後は町内で同様の商品開発の会社を経営する。
閉店の報を聞いたのは25年末。経営者が広島市で別店舗を構え、町内店の後継者がいないとのことだった。老若男女が利用する人気店の危機に「地域の憩いの場を消したくない」と、5月に承継を決意した。
香味豊かな特製ソースが売りのソーセージなど、人気メニューのレシピを引き継ぐ一方、自身が開発した、ノドグロのあらが原料の厚天ぷら「ぐろ天」などを追加。1人客や家族連れも気軽に来られるよう、丼やラーメンといった単品も充実させた。
期間限定で地元の矢上高校の生徒と共同開発した食品も並べる予定で、町内の多様な食が集う場にしたい考えだ。吉本興業全面協力の下、近隣の住みます芸人が薦める地酒や料理の紹介、芸人の1日店長といったイベントも予定し、「芸人ならではの楽しい店にしたい」と話す。
目指すのは、町民にとって居心地が良く、町外の人はまた来たくなるような刺激的な店。初の店舗経営に右往左往する日々だが「町の人口(約9200人)が1万人を超すまでは踏ん張ります」と笑う。現在は試験営業中で、午後5時半~11時。定休日は火曜と第2、第4水曜。