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80代母の家に大量のサプリ「騙されているわけがない」本人は否定するけれど…調べると複数の高額契約が 家族がまず取るべき対応は【社会福祉士が解説】

もくもくライターズ もくもくライターズ

50代・パート勤務の佐藤さん(仮名)。ある日、隣県で一人暮らしをしている80代の母を訪ねたところ、食器棚に見慣れないサプリメントが大量に保管されていることに気づきました。母に尋ねると、訪問販売で契約したものだと分かりました。さらに、他にも台所から健康食品などが複数見つかり、佐藤さんは慌てました。

「詐欺に遭ったのでは?」と心配になって尋ねたところ、母親は「自分が騙されているわけがない」と機嫌を損ね、口を閉ざしてしまいました。

「高齢の親が、詐欺に遭ったかもしれない」と感じたら、どのように対応し、どこに相談すればよいのでしょうか。

詐欺では?と感じたら…心がけたい3つの対応

高齢の親が「詐欺に遭ったのでは?」と感じたときは、まず専門機関に相談しましょう。具体的には、次の3つの対応を心がけてください。

1. 親を責めるのではなく「何が起きたか」を確かめる
2. 契約書やメール、振込記録などを保存する
3. 消費生活センターや「188」に相談する

本人が詐欺を否定していたり、本当に詐欺なのか判断に迷ったりする場合も、不審に感じた段階で早めに動き出すことが大切です。佐藤さんのように、親が恥ずかしさや後ろめたさから相談をためらっている場合も、家族が一緒に対応すれば、問題を整理するきっかけになります。

1. 親を責めるのではなく「何が起きたか」を確かめる

詐欺が疑われる場合は、まず何が起きたのかを確かめてください。誰でも詐欺や悪質商法の被害に遭う可能性があります。親を責めるのではなく、落ち着いて事実関係を整理することが大切です。

具体的には、契約した日時や、どこで誰から勧められたのかを聞き取ります。契約内容や購入した商品、支払った金額、支払い方法も確認してください。契約書や領収書が残っているかも確かめましょう。

佐藤さんは、母の顔色をうかがいながら「どういう効果のあるサプリメントなの?」と話しかけ、少しずつ状況を聞き取りました。結果的に、母が契約したのはサプリメントや健康食品など3件であることがわかりました。

2. 契約書やメール、振込記録などを保存する

母から状況を聞き取った佐藤さんは続けて、「届いた荷物の伝票や納品書って取ってある?」と尋ねました。母が引き出しから納品書を出してくれたので、一緒に確認し、納品書や届いた商品のパッケージをスマートフォンで撮影しておきました。

契約内容に不審な点があれば、契約書や納品書などの書類を探し、保管してください。事業者の名前や連絡先も確かめておくと、相談の際に役立ちます。

ネット販売の場合は、注文履歴や事業者とのやり取りが分かるメールを保存してください。支払い済みであれば、銀行の振込記録やクレジットカードの利用明細も残します。

ただ、相談の時点ですべての証拠が揃わなくても、専門機関での相談は可能です。手元にある資料の範囲でよいので、被害の状況を整理しておくとよいでしょう。

3. 消費生活センターや「188」に相談する

記録を保存したら、地域の消費生活センターなどに相談してください。連絡先が分からない場合は、消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すると、最寄りの消費生活相談窓口を案内してもらえます。

相談の際には、契約書やメール、支払い記録などを手元に用意しておくとスムーズです。さらに、事業者への対応や契約の解除などについても聞いておきましょう。

また、身に覚えのないカード利用や詐欺が疑われる場合は、クレジットカード会社や警察への連絡も必要です。消費生活センターや消費者ホットラインへの相談の折に、クレジットカード会社や警察への連絡をすべきかどうかも合わせて確認するとよいでしょう。

佐藤さんは集めた情報を手元に置いて「188」に電話し、地元の消費生活センターにつながることができました。母には「お母さんは悪くないから、一緒に相談に行こう」と声を掛けました。

詐欺では?不審に思った佐藤さんは消費生活センターに相談

佐藤さんは、母親から事情を聞いたとき、「なぜもっと早く相談してくれなかったのか」と戸惑いを感じました。しかし、母親を責めても解決にはつながらないと考え、まずは話を聞く姿勢を心がけました。消費生活センターでは、納品書を見せて、契約の経緯や支払い状況を説明しました。

相談員に契約内容を確認してもらったところ、直ちに詐欺や違法な業者とは判断できないものの、母が十分に内容を理解しないまま、複数の高額な契約を結んでいた可能性があることがわかりました。佐藤さんは相談員のアドバイスを受けながら、母と一緒に契約時の勧誘状況や、母が契約内容をどこまで理解していたかを整理しました。そのうえで事業者に解約を申し出たところ、2件は解約に応じてもらえ、1件は次回発送分から停止となりました。

相談員からは「今後、事業者から追加の請求や勧誘があった場合は、一人で対応せず、再度相談してください」と伝えられ、必要な対応についてもアドバイスを受けました。佐藤さんは「一人で悩まず相談して良かった」と、ほっとした様子で話しています。

  ◇  ◇

高齢の親が詐欺に遭ったのではないかと感じたら、契約内容や支払い状況を確認し、契約書やメール、振込記録などを保存してください。そして、すぐに消費生活センターや消費者ホットライン「188」に相談しましょう。被害状況に応じて、カード会社や警察への連絡も必要です。

【出典】
▽消費者庁「消費者ホットライン」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
▽国民生活センター「全国の消費生活センター等」
https://www.kokusen.go.jp/map/
▽政府広報オンライン「どうしよう?困ったときは、消費者ホットライン188番にご相談を!」
https://www.gov-online.go.jp/article/201807/entry-8222.html
▽国民生活センター「高齢者とそのまわりの方に気を付けてほしい消費者トラブル 最新10選」
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20220914_1.html
▽東京都消費生活総合センター「ひょっとしたら高齢者が深刻な消費生活トラブルにあっているかも?~トラブル解決には介護サービス事業者などの見守り関係者の協力が重要です~」
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/sodan/kinkyu/documents/190418.pdf
▽愛知県公式Webサイト「高齢者の消費者トラブル」
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/468867.pdf

【監修】勝水健吾(かつみず・けんご)社会福祉士、産業カウンセラー、理学療法士 身体障がい者(HIV感染症)、精神障がい者(双極症Ⅱ型)、セクシャルマイノリティ(ゲイ)の当事者。現在はオンラインカウンセリングサービスを提供する「勇者の部屋」代表。

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