南海電気鉄道は8月6日、なにわ筋線に乗り入れる新型特急の導入を発表しました。発表と同時に、新型特急の方向性も示されました。現在の空港特急「ラピート」とは異なるプロセスでのデザイン策定になります。
イタリアのピニンファリーナ社との共創
現在、大阪駅(うめきたエリア)とJR難波駅、南海新今宮駅を結ぶ「なにわ筋線」の建設が進んでいます。同線の開業は2031年春を予定しています。なにわ筋線の大部分は地下路線のため、「ラピート」の乗り入れは難しく、新型空港特急の導入が計画されていました。
南海は、なにわ筋線に乗り入れる新型特急の導入を発表し、車両デザインのパートナーとして、イタリアのピニンファリーナ社と共創することになりました。ピニンファリーナ社は1930年に創業し、自動車や工業製品のデザインや製造を行います。フェラーリやロールス・ロイスをはじめとする自動車から、英仏を結ぶ高速列車「ユーロスターe320」といった鉄道車両、はたまたオフィス家具に至るまでいろんなデザインを手掛けています。身近なところですと、エスプレッソマシンも扱っています。
南海はピニンファリーナ社を「ラピートが築いてきた価値を未来へ継承し、新しい時代を創り上げるパートナー」としています。現段階では新型特急車両にピニンファリーナ社のエンブレムの掲出が決まっており、車両デザインやコンセプトといった詳細は順次お知らせする、とのことです。
すでにピニンファリーナ社デザインの車両が走っている?
南海は関西大手私鉄の中でも海外、特にヨーロッパと最も縁が深い鉄道会社といえます。2017年、山岳区間を有する鉄道会社という共通点を生かし、スイスにあるMOB鉄道(モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道)との姉妹鉄道協定を締結しました。
2024年3月には、MOBの展望列車「ゴールデンパス・エクスプレス」をデザインした「ラピート」ラッピング列車「MOBラピート」が登場し、現在も運行を続けています。
実は「ゴールデンパス・エクスプレス」のデザインを手掛けたのがピニンファリーナ社です。そのため、ラッピングとはいえ、部分的に「ラピート」とピニンファリーナ社との組み合わせはすでに実現済み、と言っても過言ではありません。
1994年登場の「ラピート」の車両デザインは、今年3月に亡くなったデザイナーの若林広幸氏が手掛けました。個人的に「MOBラピート」のデザインが気に入っているため、日本が手掛けた「ラピート」にヨーロッパのアレンジを加え、どのように進化するのでしょうか。