恋愛感情を抱いていない関係だとしても、気が合う人同士なら結婚相手になりえるかもしれません。漫画家・砂履シンシャさんの作品『オタ婚のススメ!』第1話では、趣味のために偽装結婚した夫婦の様子が描かれています。同作はX(旧Twitter)に『恋愛よりも趣味優先なもの同士で結婚してみた』として投稿されると、約4600いいねの注目を集めています。
夫・涼太と妻・明美は、恋愛感情を持たずに利害の一致だけで結婚した『偽装夫婦』です。なぜ2人が結婚したかというと、きっかけはある日のお見合いでした。涼太は結婚する気がなかったため、両親が見ていない隙に自分の内情を打ち明けます。
それは、自身がまだ連載を持てていない新人漫画家であり、現状はほぼニートに近い状態で収入も不安定だという話でした。しかし、それを聞いた明美は「奇跡かも…」と目を輝かせます。じつは明美は根っからのオタクで、恋愛をするくらいなら同人誌を描き続けたいと思っていたのです。
周囲からの結婚の重圧にうんざりしていた明美と、漫画を描いていることで親から小言をいわれ疲弊していた涼太。一緒に住めば今よりもっと生きやすくなるのではないかと意気投合し、結婚にいたったのでした。2人は早速同居を開始しますが、なにを持っていても文句をいわれず、親から邪魔もされないため最高の空間だと感じます。
また、メリットはそれだけではないようでした。引っ越したはいいものの、うっかりネットの開通手続きを忘れていた明美。2日後の即売会に漫画作品を出す予定でしたが、データをクラウド上に保存していたこともあり、作業に手を付けられない状態になっていたのです。
そこで涼太は、いつも執筆に使っている電源とWi-Fi完備のファミレスへと明美を案内しました。
しかし、いざ明美の漫画作品をみてみると、保存データがほとんど反映されておらず白紙に近い状態だったのです。明美の新刊は絶望的だと思ったそのとき、漫画アシスタント歴6年の涼太が「終わらせますよ今日中に!」と声をかけます。
2人は、ものすごいスピードで漫画制作をはじめました。専門的な言葉が飛び交うなか、お互いに的確な指示を出し合いながら仕上げていきます。涼太は、普通なら会話として成り立たないような専門用語が通じることに、奇妙な感覚をおぼえました。
そして0時直前、なんとか明美の漫画は完成します。くたくたになった2人でしたが、明美は「いや~~夫が漫画描けるって最ッッッ強ですね~~~!」と涼太にいいました。その場では冷静に受け答える涼太でしたが、実は胸の高鳴りを必死に抑えていたのでした。
読者からは「この2人めっちゃ好き…」「こういう夫婦になりたい!」などの声が寄せられています。そこで、作者の砂履シンシャさんに話を聞きました。
「付き合ってからスタート」の作品を描きたいと思い…
―『偽装結婚』をテーマに作品を描いたきっかけについて教えてください
ラブコメを描くにあたって、「付き合ったらゴール」なラブコメではなく、「付き合ってからスタート」なもののほうが描いてて楽しいし描きたいと思ったため、そもそも結婚している前提のスタートにしたいと思いました。
そのうえで、好きがスタートじゃない関係性が徐々に好きになっていっちゃうかもしれない…!?だったらより美味しいのでは?という話になり、偽装結婚スタートのお話にしよう!となりました。
―作中、お気に入りのポイントや台詞などはありますか?
「夫が漫画描けるって 最ッッッ強ですね~~~~!」のあとの涼太のキュンという反応のシーンですね。個人的にはすごくラブコメらしい美味しいシーンになったかなと思っています。比較的ストレートにラブコメらしいシーンを入れつつも、関係性はちょっと特殊という部分をオタ婚では意識して描いているので、そのあたりが表現できたかなと思っています。
―今後の夫婦生活の様子もとても気になりました!
この二人の夫婦生活を描くうえで特に意識しているのは、「対等」であるということです。そのためにはお互いにリスペクトしあう必要があると思っているため、そのあたりを感じ取っていただけるようにセリフ、やり取りを意識して描いています。
ですが、尊重するということは相手の懐に簡単に踏み込まないということでもあるので、それだと関係が進展しない。ラブコメとしては停滞してしまいます。
だからこそ、踏み込むならどういう角度で踏み込んでいくか?を毎回悩みつつも答えを出して描いていっております。ぜひ、二人の関係の進展が気になる方は『オタ婚のススメ!』を手に取って読んでみてください!最新刊5巻は9/7発売です!何卒よろしくお願いいたします!
<砂履シンシャさん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/shisenraran
『オタ婚のススメ!』
▽カドコミにて連載中
https://comic-walker.com/detail/KC_005562_S
▽第1巻(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DHV383KT