本物のカニ身をふんだんに使った「かにめし」が500円!しかもみそ汁付き…。破格の名物メニューと一見廃墟かと勘違いする人多数の独特の店構えで知られた北海道白老町の「かに太郎」。
昨年末より高齢の店主・山下敏男さんが体調不良のため休業していたが、なんとこの度、山下さんの長男、山下康さんが運営を引き継ぎ、リニューアルオープンすることが発表された。
SNSで幾度となくバズった有名店に訪れた"第2章"。いったいどんな経緯があったのだろうか?
康さんに話を聞いた。
ーー休業から復活に至ったのはなぜですか?
康:昨年10月、当時89歳だった父が風邪のため体調不良となり、1カ月ほど寝込んでしまいました。回復はしたのですが、北海道の冬は厳しいのでこれまでのように1人で何十キロメートルも通勤して営業させることに不安があり、営業再開は見送ってもらっていました。
2月11日に90歳の誕生日を迎え、父としても限界を感じたようで「今後どうしていこうか」という話をしていました。かに太郎は1974年に父と母が始めたお店。名物のかにめしは亡き母が考案したメニューということもあり、父にとってはほとんど人生の全てのような存在だったと思います。
私としてもいずれは引き継いでいければという思いがあったので、家族で相談して、この機会にお店をリニューアルしようと決断しました。
ーーリニューアルにあたりご苦労されたことは?
康:50年以上使って老朽化した建物なので、本格的に修繕すると数千万円かかってしまいます。今回は崩れた壁や破損した窓など、本当に最低限の部分を直し、大量の物であふれていた店内を整理し、どうにかお客様を迎えられる状態に整えました。
まだ敷地内には父が暖房用に集めた大量の廃材があるので、これも将来的には撤去したいと思っています。
ーー従来のメニューから変更、追加はあるのでしょうか?
康:かにめしに加え、元々やっていた毛ガニ料理を復活させたいと思っています。白老町は毛ガニの産地で、以前のかに太郎ではそれを活用した料理を数々ご提供していたんです。将来的には遠方の方たちにも白老の毛ガニ料理をお届けするような事業展開ができればうれしいです。
ーーお父様がお店に立たれる予定は?
康:常勤は難しいと思いますが、お客様から「お父さんに会いたい」というお声をよくいただきますので、時おり顔を出してもらえたらと思っています。父は運転免許証を返納してしまったのですが、休業してからも電車でかに太郎を訪れて、何をするでもなく店内で過ごしていたことがありました。やはりかに太郎への愛着は並々ならぬものがあると思います。
ーーリニューアル発表の反響へのご感想をお聞かせください。
康:SNS等で多くの方から好意的なメッセージをいただき、家族一同、感激しております。お店を休んで以来、しょんぼりしてしまっていた父もにわかに元気を取り戻してきました。みんなではりきって第二章のスタートを切りたいと思っています。
◇ ◇
8月1日に関係者限定で「復活感謝祭」を開催したかに太郎。元気になった敏男さんが康さんら家族に見守られ接客する姿には、SNSユーザーたちから
「90歳のお父様がこんなにイキイキされていて、本当に素敵です。お店を守ってこられた52年、そして今回の感謝祭、応援しています。無事に成功しますように!」
「お父さん心の底から喜んでらっしゃると思います。奥様とバリバリ切り盛りされてた時のことを思い出してるに違いない」
「父さんに必要なのは、お客と接して元気!を分け与えたり貰ったりする事だと思う。今回のイベントで親子で実感出来た事でしょう。無理無く継続は力なり」
など励ましの声が寄せられた。
かに太郎は今後、さらなる改修を経て9月以降に通常営業再開を目指しているという。ご興味のある方は、ぜひ康さんが管理する「かに太郎 息子」(@yas_kiy)のXアカウントをチェックしていただきたい。
【かに太郎 店舗情報】
かに太郎
▽所在地:北海道白老郡白老町竹浦116
▽Xアカウント:https://x.com/yas_kiy