京都・亀岡の「学びの森」で教室長を務める 木下大輔さん(36)=京都市右京区。
京都府亀岡市南つつじケ丘にあるオルタナティブスクール(もう一つの学校)「学びの森」の講師として12年間、学校に行きづらい児童生徒たちと接してきた。学ぶとは、教えるとは何か―。自らも一人の「学習者」として探究を続けている。
自身にとって、学校は「楽しい場所」だった。大阪府吹田市出身で小中高とバスケットボールに打ち込み、小学生時代の熱血派の担当教諭に影響を受けた。立命館大に進み、スクールカウンセラーなど教育に携わる職に就こうと心理学を学んだ。
大学院2年目に転機が訪れる。恩師に紹介され、修士論文を書くためにフリースクール(当時)の学びの森を訪れた。ある男子生徒に「何で学校に行かなくなったの」と尋ねると、問い返された。
「何で学校に行っていたんですか」
答えに窮し、同時に自身の深層心理に気付いた。「『不登校=ダメなこと』と思い込んでいた。上から目線だった」。自己嫌悪に陥り、2日ほど外出できなかった。勇気を振り絞って男子生徒に再び会い、「申し訳なかった」と伝えた。
卒業後、24歳で学びの森の運営会社に就職した。一人一人の子どもと話して時間割や教材を決めて、自主的な学習を促す。さまざまな問題を探究するゼミ活動では、在日コリアンの人たちも暮らす京都市南区・東九条などを訪ねた。
利用する子どもには多様な事情があるが、最近は「学校が合わない」という理由が増えたと感じる。大人から一方的に教わるだけでなく、能動的に考える力を育むことを目指す学びの森。「『ここがいい』と思える場所をみんなで作りたい」と思い描く。
とはいえ「子どもに委ねるだけでもいけない。『学びの型』を見つけられるように関わらないと…」と悩みは尽きない。それぞれに必要な「学び」を、一緒に生み出していきたいと思い描いている。