新車販売台数で5年連続首位を獲得し、軽自動車の新車販売台数では11年連続ナンバー1を誇るのが、ホンダ N-BOX(JF5/6系)である。もはや国民車と呼べるほどの人気モデルだ。ただし、N-BOXに限らず、近年は軽スーパーハイトワゴン全体の新車価格が上昇傾向にある。いまや200万円を超えるグレードも珍しくない。
一方、軽BEV(電気自動車)として堅調な販売を続けているのが、日産サクラ(B6系)だ。最新鋭のBEVとして登場した当初は、300万円弱という価格設定だった。
ところが、BEV(電気自動車)全般に見られる傾向として、中古車市場では価格が大きく下落するケースが少なくない。サクラも例外ではなく、中古車相場は2023年式という比較的新しい年式でありながら、200万円を大幅に下回る水準に突入。コストパフォーマンスは急速に高まっている。
そこで本記事では、スーパーハイトワゴンのN-BOXと、ハイトワゴンのサクラを比較する。カテゴリーは異なるものの、日本で最も売れている軽自動車と最新の軽BEVを徹底検証。失敗や後悔のないクルマ選びの一助となるよう、それぞれの特徴を分かりやすくまとめた。※サクラの記事内画像は、マイナーチェンジ前
【N-BOX(JF5/6系)がお勧めな人】
・両側スライドドアであることを重視する人
・スーパーハイトワゴンであることを重視する人
・ランニングコストをあまり気にしない人
・充電する場所がない人
【日産サクラ(B6系)がお勧めな人】
・これからの時代はBEVだと考えている人
・一般的な軽自動車の走行性能では物足りないが、軽自動車サイズのクルマが欲しい人
・ガソリン価格が高騰するなか、ランニングコストをできるだけ抑えたい人
・ガソリンスタンドへ行く手間を減らしたい人
3代目ホンダN-BOX(JF5/6系)の特徴
2023年10月に販売を開始した3代目N-BOX(JF5/6系)。軽自動車の新車販売台数で11年連続トップを誇るベストセラーモデルである。
3代目N-BOX(JF5/6系)は、女性や家族だけでなく、親しい友人や地域の仲間まで含めた、ユーザーが大切に思う“みんな”のしあわせを後押ししたいという想いを込めて開発された。
先代からキャリーオーバーされたプラットフォームは、軽量・高剛性という特長をさらに磨き上げた。ルーフライニングの厚みを増したほか、フロアカーペットに遮音フィルムを追加することで、ロードノイズの低減を図っている。
さらに、N-BOXカスタムではルーフライニングに吸音シートを採用し、高い静粛性を実現した。
搭載される2種類のエンジンも先代からのキャリーオーバーとなる。VTECを採用した自然吸気エンジンと、電動ウェイストゲートを搭載したターボエンジンの双方で制御を細かく見直し、扱いやすさを向上させている。
組み合わされるCVTも、変速制御を細部まで見直した。ドライバーの意図しないG(加速度)の変化を抑制し、従来以上に無駄な動きを抑えた上質な走りを実現している。燃費性能はWLTCモードで18.4~21.6km/Lを達成した。
運転支援装備では、先進安全運転支援システム「ホンダセンシング」を全グレードに標準装備する。近距離衝突軽減ブレーキや急アクセル抑制機能を含む全13機能によって、ドライバーの安全運転をサポートする。
また、新世代コネクテッド技術を採用した車載通信モジュール「ホンダコネクト」を、ホンダの軽自動車として初めて採用した点も注目ポイントだ。
2024年9月には、クロスオーバーテイストを取り入れたN-BOX JOYを追加。さらに2025年4月には一部改良を実施し、外観デザインの変更やボディカラーへの新色追加が行われている。
日産サクラ(B6系)の特徴
リーフ、アリアに続く量販BEV(バッテリー電気自動車)として、日産が2022年5月に発表したのが軽BEVのサクラ(B6系)である。
軽ハイトワゴンボディに搭載されるモーターは、最高出力64ps、最大トルク195Nmを発生する。高度な制御技術により、これまで軽自動車が苦手としてきた高速道路への合流時などでも、力強く滑らかな加速を実現。スムーズな走行性能を発揮する。
また、モーター構造の最適化によって、軽自動車としてトップレベルの静粛性を実現した。同時に、床下に駆動用バッテリーを搭載することで低重心化を図り、車体の安定性を向上。路面からの衝撃を効果的に吸収し、快適な乗り心地につなげている。
サクラ(B6系)には、容量20kWhの空冷式リチウムイオンバッテリーを搭載する。WLTCモードで最大180kmの航続距離(一充電走行距離)を確保しており、日常使いには十分な性能を備えている。
さらに、駆動用バッテリーに蓄えた電力をV2H(Vehicle to Home)機器を介して家庭へ供給することも可能だ。災害などによる停電時には、約1日分の電力をまかなえる「走る蓄電池」としても活躍する。
運転支援装備も充実している。高速道路の単一車線で運転を支援する「プロパイロット」をはじめ、駐車時の操作を自動で制御する「プロパイロット パーキング」を設定。軽自動車トップクラスの先進安全装備を備えている。
サクラ(B6系)は2026年4月にマイナーチェンジを実施した。外観デザインをよりスタイリッシュなものへ刷新したほか、車内とラゲッジスペースの2か所にAC100Vコンセント(1500W)を設定し、給電性能の利便性を高めている。
また、各グレードで装備内容の見直しも実施。装備の充実を図りながら価格上昇を抑え、買い得感を高めている。