暑い夏場になると増える「胃の不調」。多くの人が夏バテや加齢のせいだと考えがちですが、実はその原因、「胃酸のトラブル」かもしれません。アリナミン製薬株式会社(東京都千代⽥区)が実施した「夏の食生活と胃の不調」に関する実態調査から、夏特有の食生活や胃の不調に対する認知の実態が明らかになりました。
調査は、胃の不調(胃もたれ・胸やけ・胃痛など)を経験したことがある全国の20~60代の社会人男女1028人を対象として、2026年6⽉にインターネットで実施されました。
夏になると無性に食べたくなる冷たい麺類やアイス、そしてスタミナをつけるための焼肉や辛い料理。実は、これらが胃に大きな影響を与えているといいます。
調査によると、「夏場に摂取量が増えるもの」として、「アイスコーヒーなどの冷たい飲み物」(61.4%)や「かき氷やアイス、そうめんなどの冷たい食べ物」(54.1%)、「ビールやハイボールなどのアルコール(お酒)」(24.6%)などが上位に挙がったほか、「焼肉や唐揚げなどの脂っこいもの」(20.4%)や「カレーや麻婆豆腐などの辛いもの(刺激物)」(18.6%)という回答も一定数見られました。
脂っこい食事や刺激物は、胃酸の分泌を促す大きな要因です。さらに、冷たいもので胃が冷えたりストレスがかかったりすると、胃が刺激に対して敏感になり、分泌された胃酸によって「胃もたれ」「胸やけ」「胃痛」といった症状を引き起こしてしまうことから、暑さをしのぐための冷たい飲食物や、夏バテ対策として食べられるスタミナ食など夏特有の食生活が胃の不調と関係している可能性がうかがえました。
実際に、85.0%もの人が、脂っこいものを食べた後に「胃の不調(胃もたれ・胸やけ・胃痛など)を感じることが増えた」と答えています。
また、脂っこいものを食べた後の「胃の不調を感じ始めた年齢」については、「20代後半」(15.9%)が最も多く、次いで「30代前半」(14.7%)、「30代後半」(14.2%)と続いており、20代後半を境に“胃の不調”を自覚する人が一気に増えるようです。
仕事の忙しさや不規則な生活習慣も重なりやすい20代後半〜30代は、まさに「胃の曲がり角」。若さに任せた食生活を見直すサインかもしれません。
続いて、「夏に感じることの多い胃の不調」について尋ねたところ、「胃もたれ」(58.2%)、「胸やけ」(31.8%)、「胃痛」(20.1%)など、いずれも、「胃酸」が関係して現れることのある代表的な症状が上位に挙がりました。
ところが、およそ3人に1人が、胃の不調と胃酸の関係を「知らなかった」(29.9%)と回答しており、胃酸が胃もたれや胸やけ、胃痛などの原因の一つとなり得ることは、まだ十分には認知されていないことがうかがえました。
胃の不調を感じた際、市販の胃薬で対処する人も多いでしょう。しかし、胃薬を飲んで一時的に改善しても「しばらくすると症状がぶり返す」と答えた人が49.4%と、およそ半数にのぼりました。
何度も不調を繰り返してしまう背景には、症状の根本原因である「胃酸の過剰な分泌」をうまく抑えきれていない可能性があります。
胃酸の分泌を抑える市販薬には、主に、「H2ブロッカー」と「プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)」という2つのタイプがあります。H2ブロッカーは、胃酸分泌を促すヒスタミンH2受容体をブロックすることで、胃酸の分泌を抑える薬です。1997年にスイッチOTC化され、市販薬として長く利用されてきました。
一方、PPIは、胃酸分泌の最終段階で働くプロトンポンプに作用し、胃酸分泌を抑える薬です。H2ブロッカーとは異なる仕組みで作用し、胃酸分泌を抑える薬剤として知られています。2025年にはスイッチOTC化により、薬剤師の説明を受けたうえで処方箋なしで購入できるようになりました。
このように現在は胃酸が関係する胃もたれや胸やけなどの症状に対して、H2ブロッカーに加えてPPIという選択肢も利用できるようになっています。
しかし、「PPIを市販薬として購入できることを初めて知った」とした人が64.2%にのぼり、約3人に2人がその存在を認知していないことがわかりました。
「なんとなく調子が悪い」を夏バテのせいにせず、胃からのサインに耳を傾けて、無理のない食生活と適切なケアで元気に夏を乗り切りましょう。