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1ドル=163円台に下落した2026年夏 その後も円安ドル高基調が止まらない 「この局面で外貨購入は無謀ですか」【FPが解説】

八幡 康二 八幡 康二

外国為替市場では現在、円安が進んでいます。2026年7月、1ドルは一時163円台をつけ、1986年12月以来39年7カ月ぶりの円安・ドル高水準となりました。資産の一部を外貨で持っておきたいと考え、ドル建ての金融商品を検討していたAさんは、ちょうどそのニュースを目にします。

気になったのは、政府・日銀による為替介入の報道です。この春に過去最大規模の円買い介入がおこなわれたと知り、「介入で円高に戻ったら、今から外貨を買うと損をするのでは」と不安になりました。

では、そもそも為替介入とはどんなもので、介入があったのになぜ円安は止まらなかったのでしょうか。そして、この局面で外貨資産を持つことをどう考えていけばいいのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの橋本ひとみさんに話を聞きました。

原因がなくならない限り円安基調は終わらない

ー2026年の為替介入では、実際に相場はどう動いたのですか?

為替介入は、政府(財務省)の指示のもとで日本銀行がおこなう為替取引です。急激な円安を抑えたいときは、保有する外貨を売って円を買います。これを円買い・ドル売りの介入といいます。

2026年は4月末から5月にかけて、合計約11.7兆円という大規模な円買い介入がおこなわれたことが財務省の公表で分かっています。介入の直後は円が5円以上急騰しましたが、その効果は長くは続きませんでした。

1カ月ほどかけ、じわじわと相場は介入前の水準まで戻り、そのまま円安は進行しています。

ー介入があっても円安が止まらないのは、なぜでしょうか?

介入は相場の急な動きを一時的に和らげる効果はありますが、円が売られやすい状況そのものが変わるわけではないからです。 

円安の理由を特定することは難しいのですが、背景の一因として財政や貿易などお金の流れの面でも円が売られやすい状況が重なっていることが考えられます。 円が売られやすい状態が続く限り、介入で一時的に円高に振れても、時間がたてば元のトレンドに戻るのは自然なことです。

ーこのタイミングで新たに外貨資産を持つことに、リスクはありますか?

1番のリスクは、為替が円高に振れたときに、円へ戻す段階で目減りする可能性があることです。

たとえば1ドル163円で買った外貨を、後に1ドル150円のときに円へ換えると、保有期間中の金利では賄いきれないほどの為替差損が出てしまいます。歴史的な円安水準にあるということは、それだけ円高方向へ戻る余地もあるという見方もできそうです。

ただし、今後も円安が進み続ける可能性も否定できず、未来から見たときに今が一番円高水準であることも考えられます。

為替変動リスクを減らすには、一度にまとまった額を換えるのではなく、時期を分けて少しずつ持つことで、取得単価をならすことも検討してほしいです。

ー反対に、外貨資産を持つメリットにはどのようなものがありますか?

円だけで資産を持っていると、円の価値が下がったときの影響をそのまま受けることになります。しかし、複数の通貨に分けておくと、その影響をやわらげることができます。 

仮にこの先も円安が続けば、外貨で持っていた資産は円換算で増えます。また、輸入品や海外旅行など、円安で負担が増える場面に対して、備えのような役割を果たすこともあります。

円と外貨のどちらかが下がっても、もう一方が支えることができる、そうしたバランスを取りやすくなるのが、通貨を分けるメリットです。

◆橋本ひとみ(はしもと・ひとみ) ファイナンシャルプランナー
 銀行勤務12年を経て、現在は複数企業の経理代行をおこなう。法人営業や富裕層向け資産運用コンサルティングの経験に加え、ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士の資格を持つ。

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