6月末から7月にかけて、兵庫県西宮市において、興味深い鉄道トピックが続きました。しかも、トピックの対象は超至近距離です。現地視察をし、今後の西宮市、ならびに阪神間の沿線模様を予想しました。
新病院のオープンによりユニークな駅名に副駅名が追加
阪急電鉄は7月1日から、今津線の阪神国道駅に副駅名「西宮総合医療センター前」を設定しました。駅名標はもちろん、車内放送でも副駅名が追加されていました。
副駅名に追加された兵庫県立西宮総合医療センターは、阪神国道駅の東隣りにあり、アサヒビール西宮工場跡地に建てられました。開院日は副駅名の設定日と同じ7月1日です。西宮総合医療センターは県立西宮病院と西宮市立中央病院を統合再編したものであり、阪神地域の中核病院としての役割を担います。
新病院の開設により、阪神国道駅の利用者は増加することでしょう。参考までに、2025年阪急駅別1日あたりの乗降人員ランキングにおいて、86駅(神戸三宮駅以西と天神橋筋六丁目駅を除く)中、阪神国道駅は最下位の86位でした。
西宮市が大きく変わる? JRの新駅構想
西宮市は6月30日、森永乳業近畿工場をはじめとする大規模工業跡地の新たなまちづくりを取りまとめました。対象地はJR神戸線、国道2号線、名神高速道路、中津浜線に挟まれた約12ヘクタールの土地です。ここに大規模再開発だけでなく、JRの新駅の設置が検討されていることが判明しました。この大規模再開発に関しては2025年2月に、西宮市と当該地の所有者である大和ハウス工業との間でまちづくり協議会を設立。その後に、JR西日本が加わりました。
まちづくりの基本方針は「GREENを軸に、人・暮らし・活動が重層する都市空間へ」とし、阪神間の新たな複合都市拠点を目指します。また、JR神戸線を越える南北を結ぶ動線の確保も検討されています。
現段階では、JR新駅や街づくりも、まだ「検討段階」です。計画では2027年度以降に、「まちづくり基本協定」が締結される予定です。
実際に阪神国道駅から対象地に行ってみた
実は大規模再開発の対象地は、阪神国道駅から東へ徒歩約10分のところにあります。そこで、実際に対象地に行ってみました。国道2号線を東へ歩き、津門(つと)交差点から北に曲がります。津門交差点から北に曲がると、国道沿いの商業地区とは明らかに異なり、工業地区の雰囲気が漂います。視線を上に向けると、名神高速道路があります。
津門交差点から歩くこと数分で、広大な空き地に到着。空き地を挟んで、JR神戸線を確認することができました。空き地に囲まれるような形で、きんでん阪神営業所があります。
一見しただけですが、新しい街を創造するには十分な広さであり、検討中の新駅は新しい街を対象とした駅であることを痛感しました。現在の最寄駅は阪神国道駅です。確かに徒歩約10分で着きますが、夏の炎天下、国道2号線の徒歩移動は少々きつかったです。そのため、JR新駅と阪神国道駅との間での相互乗り換えは現実的ではなく、阪神国道駅が新しい街全体をカバーすることも少々厳しいように思えます。
いずれにせよ、JR新駅は決定事項ではなく、あくまでも「検討」の段階。検討の推移を見つつ、阪神国道駅が阪急駅別乗降ランキングの下位から脱却できるのかも、注目ポイントです。