「東京・亀戸のディスカウント店前で、ルビィに出会わせてくれた当時の小学生に会えたら、お礼が言いたい。ルビィとルビィの兄弟を救ってくれてありがとう。私はルビィと過ごせて幸せでした」
そう話すじゅりあじゅりあさん(alpaca200505)は2023年6月下旬に、愛猫ルビィちゃんを18歳で看取った。晩年、ルビィちゃんはてんかんや腎臓病を発症。飼い主さんは最期まで、愛猫の命に寄り添い続けた。
小学生からディスカウント店の前で譲り受けた“小さな命“
2005年7月、飼い主さんはある光景を見て足が止まった。小学校に捨てられていた子猫を見つけた子どもたちが、ディスカウント店の前で里親を探していたのだ。
子猫は4匹。当時、自宅には2匹の先住猫がいたが、小さな体で威嚇をし、懸命に生きようとするルビィちゃんに惹かれ、お迎えを決意。他の子猫もみな、貰い手が決まったそうだ。
動物病院では、生後1カ月ほどであることが判明。幸い健康状態に問題はなかった。自宅では先住猫のアリスちゃんが母性に目覚め、お尻を舐めたり、出ないおっぱいを吸わせたり一緒に寝たりと甲斐甲斐しくお世話をしてくれたそうだ。
「年の離れた先住猫2頭が甘えん坊だったからか、ルビィは遠慮しがちでした。新しいキャットタワーやおもちゃは、先住猫たちが飽きてから使うタイプ。一番、大人だったかもしれません」
最愛の夫の死…その数日後に発覚した愛猫の「腎臓病」
ルビィちゃんが甘えるようになったのは、先住猫たちが天国へ旅立ち、ひとりっ子になってからだった。一緒に寝てくれ、猫のトイレ掃除をしている時には背中に乗ってくることも。
「勉強していると、一緒に教材や動画を見て『わかる?』って顔をしていたこともありました」
飼い主さんいわく、ルビィちゃんには知性もあったようだ。
「親バカかもしれませんが、ルビィは平仮名が読めたんです。ただの段ボール箱には入らないのに、“るびぃ”って書くと入ってくれて。話し言葉もほぼ理解していました」
そんな平穏な日々の中、飼い主さんは夫を亡くし、深い悲しみに暮れた。さらに、その3日後、ショックな出来事が起きる。16歳になったばかりのルビィちゃんが、てんかんを発症したのだ。
「動物病院へ行くと、腎臓病のステージ2であることも分かりました。16歳半頃からは食欲減退などの症状も現れ、投薬や2週間に1度の点滴がスタートしました」
これで正解なのだろうか。ルビィを失うのが怖い。闘病中は自問自答と消えない恐怖心に襲われた。
「仕事が終わって玄関のドア開けるのが怖かったです。玄関でお出迎えしてくれると、ホッとしました。1日でも長く一緒にいたくて、亡き夫に『ルビィを連れて行かないで』と毎日、祈りました」
フードの寄付が繋げた“新たな出会い”
そんなある日、帰宅するとベッドのそばに排便があり、フードが全く減っていなかった。急いで動物病院を受診すると、腎臓病が末期の状態であると告げられる。
飼い主さんは休職し、寝たきりになったルビィちゃんに自宅で点滴を行うなど、つきっきりでケアをした。
しかし、ルビィちゃんは1カ月半に1度だったてんかん発作を1日に何度も起こすように。その姿を見て、「もう、これ以上苦しめるのはやめよう」と思い、自宅での点滴を止めた。ルビィちゃんが旅立ったのは、それから2日後のこと。1年半の闘病生活が終わった。
「最期だと分かった時、『また会おうね』と繰り返し言いました。ルビィは腕の中で旅立ちました」
ルビィちゃんを亡くした後には、ペットロスに苦しんだ。愛猫のもとに逝きたいと思い、家財道具を処分。残っていた猫用フードは、かかりつけの動物病院にチラシが貼ってあった、個人で動物保護ボランティアをしている人に寄付した。
だが、その温かい行動が、現在一緒に暮らしている三毛猫アモちゃんとの出会いに繋がった。
「心に空いた猫型の穴は猫でしか埋められないとよく言いますが、失った子たちの穴はそれぞれ違う形です。別の猫でルビィ型の穴は塞がりませんが、痛みは和らぎました」
アモちゃんは昨年、飼い主さんに乳がんが見つかった時も心の支えになってくれたという。
なお、ルビィちゃん亡き後、飼い主さんは不思議な経験をした。ある日の明け方、亡き夫が夢枕に立ち、「起きろ!」と枕をガンガン叩いたそうだ。目を覚ますと、ルビィちゃん特有の鳴き声が聞こえた。
「その日は、ルビィの百箇日でした。夢かもしれませんが、そのおかげで今でも耳にルビィの声が残っています。夫が虹の橋でルビィを待っていたのかな、一緒に虹の橋を渡ったのかなと思いました」
いつか自分も天国でルビィに会える日が楽しみ。そう話す飼い主さんの心の中で、ルビィちゃんは永遠に生き続けている。