マイルドハイブリッドは、従来のハイブリッド車とはシステムが異なります。エンジンを小型のモーターがアシストするような仕組みで、今後環境基準が厳しくなっていくに従ってさらにマイルドハイブリッド車は増えていくことが予想されます。
そこで本記事では、マイルドハイブリッドの寿命や故障の原因、修理費用について現役の整備士が解説していきます。
マイルドハイブリッドの寿命
マイルドハイブリッドの寿命は一般的に走行距離で10万km~、または年数で10年~が目安です。ただし、マイルドハイブリッドはいくつかの部品に分かれており、各々の交換目安は異なります。
マイルドハイブリッドの寿命を説明する場合、主に以下の3つの部品についてそれぞれ考える必要があります。
・マイルドハイブリッド用バッテリー
・モーター
・DC-DCコンバーター
(※代表的なものをピックアップしています。マイルドハイブリッドのシステムを構成する部品は他にもありますが、分かりやすく解説するために除いています)
さらに、モーターの役割を担う部品にもいくつかのパターンがあり、車によって取り付けられている場所が異なります。
ここでは分かりやすく国産車で主に採用されているものに絞って、それぞれ解説していきます。
▽マイルドハイブリッド用バッテリーの寿命
マイルドハイブリッド用バッテリーには、急速な充放電に対応したリチウムイオンバッテリーが使われています。
マイルドハイブリッド用バッテリーは「走行距離で10万km〜」、または「年数で10年〜」で交換が必要になる寿命の目安となります。通常の12Vバッテリーとは異なり、基本的には長寿命高耐久の設計になっています。
▽モーターの寿命
マイルドハイブリッドのモーターにも様々なタイプがあります。大きく分けると2種類のタイプがあり、「ベルト駆動タイプのモーター」と「トランスミッション内蔵または一体タイプのモーター」があります。
▽ベルト駆動タイプモーターの寿命
現在、スズキやマツダで採用されているのはベルト駆動タイプのモーターです。これは「ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)」と呼ばれ、発電機能とモーターアシストの機能を両方備えており、中にはエンジンの始動もおこなうISGもあります。
従来のオルタネーターとほとんど同じような外観で、ドライブ(補機)ベルトによって駆動しています。寿命は走行距離で10万km〜20万kmです。10万kmを超えると寿命を迎える可能性が高くなると考えておきましょう。
▽トランスミッション内蔵/一体タイプモーターの寿命
スバルや欧州車を中心に多く採用されているのが、マイルドハイブリッドモーターがトランスミッションに内蔵、または一体となっているタイプです。
明確に目安となる寿命はなく、ベルト駆動タイプのモーターと比較した場合の故障リスクは低いです。
▽DC-DCコンバーターの寿命
DC-DCコンバーターには、明確に目安となる寿命はありません。万が一故障したときに交換となる部品です。
以下、簡単にDC-DCコンバーターの説明です。
車は電装品を中心に12Vを電源電圧として作動しています。車種によってマイルドハイブリッドで発電される電圧にはいくつかのパターンがありますが、24Vや48Vなど大きな電圧となるシステムを採用している車も多く、これを車で使えるように12Vに降圧する必要があります。その役割を担っているのが「DC-DCコンバーター」です。