「現実は残酷です」
そんなフレーズから始まり、「見切り品」だった観葉植物を復活させる動画がInstagramで注目を集めています。なぜ、弱った植物をわざわざ買って、よみがえらせようと思うようになったのか。きっかけなどをたずねました。
弱った観葉植物を復活させ、美しい姿を取り戻す「観葉植物再生プロジェクト」にひとりで取り組むマルさん(30代・男性)。ある日、マルさんはホームセンターの見切り品コーナーの片隅で、「フィカス・ティネケ」というゴムの木の一種の観葉植物がしおれているのを目にしました。
緑の大きな葉に白やピンクの美しい斑が入るのが特徴の観葉植物ですが、慢性的な水不足が原因で、葉はぐったり垂れ、丸まっていました。茎もしわだらけで、充分に水がもらえておらず、今にも枯れそうでした。
マルさんは、迷わず購入(見切り品のため、価格は4000円から2000円に)。自宅に持ち帰ると、まずは乾ききった用土(植物を育てるための土)を保水性・排水性のあるものに替えました。葉に霧吹きする葉水(はみず)で潤いを与え、土が乾くたびにたっぷり水をやります。枯れた葉を切り、少し寂しい姿にはなりましたが、動画の最後では残った葉が元気を取り戻しつつあるようでした。
投稿には「植物のお医者様ですね」「枯れゆく植物の救世主ですね」「ティネケちゃん、頑張って〜」「可哀想だったね 主様ありがとう」「ほんとにどうするとこんな事になるまで放っておけるのか生きているのに 悲しいです 見つけてもらえて良かった」などの声が寄せられていました。
植物が復活できるかどうかを、どのように判断しているのか。植物を枯らしてしまわないように、夏に気をつけることは? マルさんにたずねました。
見切り品を見て「助けることができれば」
約60種300以上の観葉植物を育ててきた「植物オタク」だというマルさん。
約5年前に観葉植物を育てることにハマった頃は、小規模で見た目にこだわった店で、いわゆる“きれいな植物”を購入。そして、値段が手ごろで販売されている植物の種類が豊富という理由でホームセンターにたどり着いたそうです。
植物を育成する知識や経験がついてくると、それまで気にしていなかった見切り品コーナーにも目が向くように。
「小さくておしゃれな店は、店内がどう見えるかを大事にしてるところが多いけど、ホームセンターは弱った植物をすぐ撤去してしまうこともないようで、見切り品とされるような植物の存在が発見しやすいのかなとは思います。また、コロナに入ってから観葉植物が注目されるようになり、それから自分の目につく機会が多くなったのかなという印象です。
1年ぐらい前から陰に追いやられているような見切り品を見て『なにか助けることができればなぁ』と思ったのが、このプロジェクトのきっかけです」
弱った植物を復活させるため、フル活用する植物に関する知識はすべてマルさんの独学だそう。
「ただの植物好きの素人というところから始めて、いろんな植物を育てて培ってきたもので今やっている感じです」
「植物が救えるか、見極めるために…」
見切り品コーナーから、あえて葉がほとんどなかったり、変色したりしている植物をレスキューしているマルさん。冒頭の「フィカス・ティネケ」も枯れかけているように見えますが、どのように「復活できる」と判断しているのでしょうか。
「『植物全体を見る』という言うのが答えなんですけど、特に大事なのは成長点かなと思っています」
成長点とは植物の細胞分裂が活発な場所。
「幹の1番先端部分などにある成長点から葉が出て、大きくなってを繰り返しています。人間で言うと心臓で、そこが生きているかが、植物が救えるかどうかに直結すると思っています。幹のしわや根など他の部分も見ますが、目視できる部分では成長点が一番大事だと思います」
店舗で成長点がダメになってしまっている植物が見切り品として売られているのを見たこともあったそうで、何とかしてあげたいと思いつつも自分の力では厳しく、今のところは諦めているそうです。
マルさんは「フィカス・ティネケ」の他にも多くの植物を復活させていますが、その中で特に印象的だった植物は何だったのでしょうか。
「最初の方に投稿したベゴニアマクラータ、葉っぱが水玉でめちゃくちゃキレイな植物です。連れ帰った中ではかなり傷んでいる部分が多くて、『これは本当に見切り品だな』という見た目だったんですけど、今ではめちゃくちゃ元気になって、葉っぱもしっかり生えて、たくましくなりました」
植物が枯れる原因でめちゃくちゃ多いのは?
さて、梅雨明け前にも30度を超える地域がありましたが、マルさんは、夏、観葉植物を枯らさないために、どんなことに気をつけているのか聞いてみました。
「植物全般に言えると思いますが、夏だから特別というのは正直なところありません。僕は水やりのタイミングが植物を育てる上で大事だと思っていて、それは、植物が枯れる原因でめちゃくちゃ多いのは、根っこが水のあげ過ぎで腐れてしまう『根腐れ』だからです」
マルさんによると、水やりの適切なタイミングは「用土がしっかり乾いてから」で、鉢の底から水が出るまでたっぷりやる必要があります。単に水分を補給するだけでなく、水で土の中の古い空気やガスを押し出して酸素を交換するという意味もあるそうです。
「植物はどこが一番の肝かって言われたらもちろん成長点もそうなんですけど、根が成長を促す部分にはなってくるので、『根っこを強くたくましく育てる』、そこが植物を調子よく育てるポイントになってくると思いますね」
植物を愛するゆえに、弱った状態のままで置かれていたり、廃棄されたりすることに心を痛めるマルさん。
「いろんな方にこの投稿が届いて、植物を買う時に『ちょっと見切り品を買って育ててみようかな』って思っていただけるだけで僕はうれしいです。アカウントを通して植物を育てるための情報や知識、ノウハウをお届けしていけたら」
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Instagramアカウント「さくまる 観葉植物再生プロジェクト」(@mikirihin_project_)では、観葉植物の育て方のコツや、おすすめの道具などについても発信しています。新たに「見切り品」の植物を迎えたい人にも、今、自宅にある植物を大事にしたい人にも、役立つ情報があるはずです。
■マルさんのInstagramアカウント「さくまる 観葉植物再生プロジェクト」(mikirihin_project_)https://www.instagram.com/mikirihin_project_/