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水とカップ麺を取り出したら「くさいッ!」→賞味期限内だったのに……ゴミになってしまった  防災用の保管場所に落とし穴が、 防災士に聞いた

山岡 もと子 山岡 もと子

防災士になる前、水とカップ麺はクローゼットにきれいにしまっていた――。ところが、いざ必要になって開けてみると、洗剤のにおいが染みつき、賞味期限内なのに口に入れられなかった…。そんな失敗を防災士がXに投稿し、反響を呼んでいます。

投稿したのは、SNSで防災や暮らしの安全について発信する、いくみ防災士さん(@193fp)。犯罪被害に遭った経験から「自分や大切な人の命を守る知識」の大切さを実感し、防災士の資格を取得したそうです。

投稿のきっかけは、備蓄の相談に乗ったときのこと。相談者は、洗剤や防虫剤と同じクローゼットに水を詰め込んでいたそうです。「きれいに隠せて、すっきり保管できるから」と話す相談者に、いくみ防災士さんは「きれいに片づけるのが正解じゃありません」と伝えました。

ポイントは「におい移り」です。ペットボトルやカップ麺の容器には目に見えない微細な穴があり、周りのにおいを強烈に吸い込むといいます。防虫剤や柔軟剤、消臭剤が並ぶ場所に食料品を置くと、洗剤のにおいが染みつき、化学物質のような味がして飲めなくなる。家族のためにそろえた備えが、ゴミに変わってしまうのです。

そう伝えると、相談者は表情を変え、「じゃあ、コンクリートの床にダンボールのまま置くのは?」と尋ねたそうです。これにも「それもダメです」。床に直接置くと湿気を吸ってカビや虫がわく原因になるため、「直置きせず、すのこを1枚敷いてください」と答えました。

におい移りを「気にしたことがなかった」と驚いていた相談者も、その後すぐに置き場所を見直し、数日後には「置き場所を変えただけで、すごく安心できた」と話してくれたそうです。

投稿には、思い当たる人からの声も続々と。「ここ、いつも聞きたかった! みんなどこに置いてるんやろって。水、押し入れに入れてるけど、ええのんかな??と思いながら…入れてる」「わーーーーまさにそうしてます」。

中には「ナフタリン(防虫剤の一種)もヤバいですよね。あれも虫よけだけど、めっちゃ移ります」と、実感のこもったコメントも寄せられました。

「隠す」より「安全に」——今日からできる見直し

以前は「きれいに隠して収納すること」が正解だと思っていたという、いくみ防災士さん。でも防災を学ぶなかで、見た目よりも「必要な時に安全に使えること」が最優先だと知ったそうです。今は温度や湿度、取り出しやすさ、普段から使える防災グッズを選ぶ大切さを伝えています。

正しい保管の基本は、直射日光を避け、温度変化が少なく高温多湿にならない場所に置くこと。防虫剤や洗剤、柔軟剤など香りの強いものの近くは避けます。

「備蓄は『隠すこと』より『安全に保管すること』を優先してください」という、いくみ防災士さん。まずは食品の近くににおいの強いものを置いていないか、確認を。使いながら買い足していく「ローリングストック」(食べた分を補充する仕組み)をこまめに回せば、備えが傷む機会も減るそうです。

「防災は備蓄品を買うだけでなく、きちんと使えるものでなければ意味がありません。保管方法も含めて『知っていれば防げる失敗』をこれからも発信していきたい」

いくみ防災士さんの言葉は、きれいに片づけたつもりの棚を、もう一度のぞいてみたくなるヒントにあふれていました。

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