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深夜の道路で泣き叫んでいた生後間もない子猫 保護したのは「猫初心者」の夫婦 「朝まで生きられる?」つきっきりで見守った夜を越えて

梨木 香奈 梨木 香奈

 ある夜、散歩に出かけた飼い主さん夫婦。その途中で、どこからか小さな子猫の鳴き声が聞こえてきました。

声のするほうへ向かうと、そこにいたのは手のひらにおさまるほど小さな子猫、「果生(かなり)」ちゃん。思いがけない出会いから、飼い主さん夫婦と果生ちゃんの日々が始まりました。

深夜の道路で鳴いていた小さな三毛猫

果生ちゃんと出会ったのは、2025年9月10日の深夜のことでした。その日も飼い主さん夫婦は、いつものように近所を散歩していたといいます。

「ゴミ捨て場の近くの道路の真ん中に小さな子猫がいて、必死に鳴いているのを見つけました。昨日まではいなかったので、夫婦ともにすごく混乱しました。とても小さくて弱々しくて、なんでこんなところに子猫が? と驚きました」

当時の果生ちゃんは、生後推定1〜2カ月。とても小さく、弱々しい姿でした。車や自転車が通る道路の真ん中で鳴き続け、近づいてくるものに向かっていくような様子もあったといいます。

実は飼い主さん夫婦は、以前から猫を迎えたいと考え、1年ほどかけて少しずつ準備を進めていました。偶然にも、その日はDIYしていた脱走防止扉が完成した日。しかし、迎える準備がすべて整っていたわけではなく、家族の誰も猫と暮らした経験もありませんでした。

猫を迎えたい気持ちはあったものの、想定していたのは、もう少し準備が整ったあとのこと。ましてや、生後間もない小さな子猫を突然迎えることになるとは思ってもいませんでした。親猫が近くにいる可能性も考えられます。子猫の知識も十分ではありません。飼い主さん夫婦は「全く迷わなかったわけではない」と振り返ります。

しかし、果生ちゃんがいた道路は交通量の多い場所でした。

「果生は車や自転車に鳴きながら近寄って、轢かれそうになっていました。それを見て、これでは今夜のうちに亡くなってしまうと思い、保護するしかないと心を決めました」

迷いよりも危機感が勝った瞬間でした。飼い主さん夫婦は、果生ちゃんを保護。動画では、パパが抱き上げた瞬間、果生ちゃんが少し落ち着いた表情を見せる様子も紹介されています。突然の出来事に戸惑いながらも、飼い主さん夫婦は小さな体を家へ連れて帰りました。

深夜だったため、すぐに動物病院へ行くことはできません。帰宅後は、段ボールで急ごしらえの“おうち”を作り、果生ちゃんを休ませました。パパは猫用フードを買うためコンビニへ。ふやかして手でひと口ずつ食べさせると、何とか完食してくれました。

「鳴き続けて声が出なかったみたいなのですが、ぐったりしながらも一生懸命鳴こうとしていました。段ボールでおうちを作って入れると、少しずつ落ち着いた様子に。じっと私たちを見ていて、撫でると気持ちよさそうにうとうとしてくれたのを覚えています。シャーッと威嚇するようなこともなく、とてもいい子でした」

ホッとしたものの、まだ小さな体です。飼い主さん夫婦は「朝まで生きていてくれるだろうか」と不安を抱えながら、病院が開く時間を待ち続けました。

「捨て猫で間違いない」 衝撃の事実に涙

翌朝、果生ちゃんを動物病院へ連れて行きました。そこで告げられたのは、生後1〜2カ月ほどであること、ノミがいること。そして、肉球の状態や人馴れしている様子などから、「捨て猫で間違いない」という診断でした。

「こんなにかわいいいい子が捨てられた…? とショックを受けました。辛い経験をしてきたぶん幸せにしよう、うちで大切に育てようと心が決まったんです」

果生ちゃんが捨てられたことを知ったパパは、大きなショックを受け、涙が止まりませんでした。同時に「果生ちゃんの“親猫”代わりになる」と心に誓ったそうです。

帰宅後、果生ちゃんは少しずつ元気な姿を見せ始めました。目を離した隙に段ボールから脱出するほど動けるようになり、飼い主さん夫婦を驚かせる場面もあったといいます。

とはいえ、猫と暮らすのは初めて。ましてや、相手はまだ幼い子猫です。何をどうすればいいのか、わからないことばかりでした。

愛おしさと心配が入り混じる中、飼い主さん夫婦は夜通し、子猫の育て方を調べ続けました。果生ちゃんに話しかけたり、手作りの湯たんぽを用意したり――。数日間、夫婦ともに仕事を休み、そばで見守ったといいます。

「ほぼつきっきりで過ごしました。それが功を奏して、私たちや家での生活に慣れてくれるのが早かったのかもしれません。翌日には、夫の肩に登って毛づくろいをし、眠っていました」

さらに保護から3日ほど経つと、名前を呼ぶと返事をして寄って来てくれるように。もう少し経つと、ぴったりと寄り添って眠ってくれるようにーー。

「果生のそうした様子から『心を開いてくれたのかな』と感じました」

懸命に向き合う飼い主さん夫婦のそばで、果生ちゃんは少しずつ安心できる場所を見つけていったのです。

パパは「母」、ママは「執事」!? すくすく成長中

現在、果生ちゃんは保護当時の弱々しい姿からは想像できないほど、元気いっぱいに成長しています。

「今はとてもおてんばになり、『自分の要望は通って当たり前』と思っているようなツンデレ女王様になりました(笑)」

果生ちゃんは、のびのびとリラックスして過ごし、ふと見ると思わず笑ってしまうような変なポーズでくつろいでいることもあるそうです。

中でも、果生ちゃんが大好きなのはパパなのだとか。

「果生は、いつも夫の膝上にいるようになりました。夫のことはお母さん、私のことは姉妹か執事だと思っているような気がします」

一方、ママにも甘えん坊な一面を見せているそうです。

「仕事やお風呂から戻ると、鳴きながら走ってきて『撫でてー』と擦り寄ってくれたり、ベッドで一緒に寝てくれたりするのがすごく幸せです」

果生ちゃんは、今ではすっかり家族の中心に。これからも優しい飼い主さん夫婦に見守られながら、幸せな猫生を歩んでいくことでしょう。

◇◇

YouTubeチャンネル「三毛猫かなり」でも、かなりちゃんの日常が紹介されています。

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