日々仕事に追われる生活をしていると「会社に行きたくない……」と感じることがあるでしょう。もし自宅から会社まで、ふわふわのリスが送ってくれるとしたら、少しだけ気持ちが軽くなるかもしれません。そんな現実とファンタジーが入り混じる漫画『おじさんとリスタクシー』(作:銀ねづさん)が、pixivに投稿されました。
それは、主人公であるおじさんが連休明けの自宅でぐったりしている場面から始まります。
パジャマで寝転がり「明日会社まで動ける気がしない」と思い悩むおじさんの前に、突然、1粒のどんぐりが転がってきます。そのどんぐりには、「自宅から職場の窓まで送ります!」という広告が付いていました。
ふわふわのリスが、自宅から会社まで送り届けてくれるというサービスに、おじさんは「ギリギリまで寝ていられるのか!最高!」と喜び、翌朝8時に予約を入れます。そして翌朝、おじさんの家にやってきたのは、想像以上に巨大なリスでした。
リスはA3サイズの名刺を差し出しながら「リスタクシーの栗原です。お迎えに上がりました」とあいさつします。さらに栗原は「ほお袋、胸毛、しっぽ、どちらでお運びしましょうか?」と尋ねます。
おじさんは「ほお袋はヨダレがつきそうだし、しっぽは振り落とされるかも」と悩んだ末、胸毛を選択しました。すると栗原は「うふふっ。そのために毛をたっぷり蓄えておきました!」と答え、おじさんはふわふわで密度の高い胸毛へ埋もれます。
移動中に落ちてしまうことを心配するおじさんに、栗原は「大丈夫です!とても毛深いので」と返答し、そのままビルの壁や屋上を駆け抜けながら会社へ向かいました。会社に到着すると、おじさんは「ふわっふわでした...」と胸毛から顔を出します。
ただ、おじさんは栗原のふわふわをもっと堪能したかったようです。そんなおじさんに栗原は、「もし物足りなさを感じていましたら」とどこからかメニュー表を差し出します。そこには「ハグ」「なでる」「ゆったり帰宅コース」などの項目が並んでおり、おじさんは「わぁっ」と声をあげて喜びます。
その後、おじさんは「帰りも頼もうかなリスタクシー」と考えながら仕事に励むのでした。
読者からは「何故か泣けてきた。私もこのおじさんになりたい」や「癒やされた」などの声があがっています。そんな同作について、作者の銀ねづさんに話を聞きました。
想像の中だけでも、もふもふのリスに癒されてほしい
―同作制作のきっかけを教えてください。
描いた当時は朝早く起きて満員電車に乗って高校へ行かなければならなかったので、かわいいリスに寝たまま運んでもらえたらいいのにと思って漫画にしました。また、エレベーターで人と乗り合わせた時のコミュニケーションが苦手なので、木登りが得意なリスに縦移動をスキップしてもらいたいなと考えました。
―同作には多くの反響が寄せられていますが、印象に残ったことはありますか?
感想から、現代人は日々の仕事に忙殺されていることを実感しました。想像の中だけでも、もふもふのリスに癒されてほしいと思います。
通勤方法がかわいい動物に変わるだけでも仕事の憂鬱さがグッと減る気がします。
―制作にあたり、特にこだわった演出や表情、描写などがあれば教えてください。
リスタクシーの柔らかそうな毛並みや穏やかな眼差しです。目をうるうるに描いたり、口元を綻ばせて優しさを感じられるように工夫しました。
<銀ねづさん関連情報>
▽書籍『森のドロップス 銀ねづ短編集』(Amazon)
https://amzn.asia/d/07MAU9tw
▽X(旧Twitter)
https://x.com/ginnezu33
▽pixiv
https://www.pixiv.net/users/42103868