「うちの妻は気が利かなくて」「本当に何もできないんですよ」など、夫が人前で妻をけなすような発言をすると、妻は悲しい気持ちになったり、強いストレスを感じたりすることがあります。
夫は軽い冗談や謙遜のつもりで言っている場合もありますが、容姿や性格、家事、仕事、育児などを繰り返し否定されると、夫婦関係に深い傷が残ることもあります。内容や頻度によっては、モラハラにあたる可能性もあるため、軽く考えすぎないことが大切です。
この記事では、人前で妻をけなす夫の心理や、モラハラにあたる可能性、つらいと感じたときの対処法について解説します。
夫が人前で妻をけなすのはなぜ?
大事な家族であるはずの妻を、なぜ人前でけなしてしまうのでしょうか。
夫の発言の背景には、からかいや謙遜のつもりだけでなく、自信のなさや支配的な考え方が隠れていることもあります。
人前で妻をけなす夫に考えられる心理をいくつか挙げてみましょう。
・からかいや謙遜のつもりで言っている
夫の中には「うちの妻はぐうたらで」「料理が下手で困るんですよ」などと、人前で妻をからかうことを面白いと思っている人がいます。
自分では場を和ませているつもりでも、妻にとっては笑って済ませられない言葉になっていることがあります。夫婦の距離が近いからこそ言える冗談だと思っていても、相手が傷ついているなら愛情表現とはいえません。
また、上司や取引先、親戚などの前でへりくだる態度を見せようとして、妻をけなす夫もいます。本人は謙遜しているつもりかもしれませんが、妻の欠点を笑いの材料にするのは、自分を下げる自虐とは違います。
人前で妻をけなす発言が続けば、妻は恥ずかしさや不快感を覚え、夫婦関係にも影響が出てしまいます。軽い冗談のつもりでも、妻が嫌がっているなら見直す必要があるでしょう。
・妻が傷ついていることに気づいていない
「また太ったんじゃないの?」「本当に何もできないよね」など、妻が嫌がる言葉を平気で言う夫は、妻が本気で傷ついていることに気づいていない場合があります。
悪口を言い合うことも夫婦のコミュニケーションだと思っていたり、妻が笑って流しているから大丈夫だと勘違いしていたりするのです。
しかし、妻がその場を丸く収めるために笑っているだけの場合もあります。夫が「冗談だから」「悪気はないから」と考えていても、言われた側がつらいと感じているなら、夫婦の間で見直す必要があります。
・自分に自信がなく妻を下げてしまう
人前で妻をけなす夫は、一見すると自信があり、強い立場にいるように見えることがあります。しかし実際には、自分に自信がなく、劣等感を抱えている場合もあります。
仕事や収入、容姿、人間関係などに不安があると、自分より下の存在を作ることで安心しようとすることがあります。その対象が、身近な妻になってしまうのです。
たとえば「そんなことも分からないの?」「お前は本当にダメだな」といった言葉で妻を見下すことで、自分の立場を保とうとするケースがあります。夫自身の問題が、妻へのきつい言葉として出ている可能性があります。
・常に自分が優位に立ちたい
夫婦の中で常に自分が上の立場でいたいと考える夫も、人前で妻をけなすことがあります。
妻と意見が違ったときに、「何も分かっていない」「黙っていればいい」などと否定する場合、妻の考えを聞くよりも、自分の優位性を守ることを優先している可能性があります。
このような夫は、プライドが高く、自分の間違いを指摘されることが苦手な傾向があります。人前で妻を下げることで、自分のほうが正しい、自分のほうが上だと示そうとしているのかもしれません。
・妻を下に見る価値観がある
夫の中には、妻は夫に従うもの、家事や育児は妻がするもの、女性は男性を立てるものといった価値観を強く持っている人もいます。
こうした考え方があると、妻の仕事や家事、育児、性格などを見下す発言につながることがあります。特に、親世代の夫婦関係を見て育った影響で、夫が妻をけなすことを当たり前だと思っている場合もあります。
しかし、育った環境や価値観が理由にあったとしても、妻を傷つけてよい理由にはなりません。人前でけなされることが続くと、妻の自尊心が傷つき、夫婦関係にも大きな影響が出てしまいます。
人前で妻をけなすのはモラハラにあたる?
人前で妻をけなす発言のすべてがモラハラにあたるとは限りません。
夫が軽い冗談のつもりで言っていることに対して、妻も不快に感じていない場合は、大きな問題にならないこともあります。
しかし、言われた側が傷ついていたり、同じような発言が繰り返されたりする場合は、夫婦間の冗談として片づけないほうがよいでしょう。
人前で妻をけなす発言が問題になりやすいケースを見ていきましょう。
・冗談でも妻が傷ついているなら注意が必要
夫が「冗談だよ」「本気にするなよ」と言っていても、妻が傷ついているなら、その発言は軽く流さないほうがよいでしょう。
問題は、夫に悪気があるかどうかだけではありません。言われた側が嫌だと感じているのに、同じような発言が繰り返されることです。
特に、人前で笑いものにされたり、容姿や性格、家事能力などを否定されたりすると、妻は周囲の目も気になり、強いストレスを感じやすくなります。その場では笑って受け流していても、後からつらさや怒りが残ることもあるでしょう。
夫婦間の冗談として片づけず、自分がどう感じたのかを大切にしましょう。
・人格否定や見下しが続く場合はモラハラの可能性がある
「お前は何もできない」「本当に使えない」「母親として失格」など、人格を否定するような言葉が続く場合は、モラハラの可能性があります。
また、人前では冗談のように見せながら、実際には妻を下に見たり、支配したりする意図があるケースもあります。家庭内でも同じように否定される、怒鳴られる、無視される、行動を制限されるといったことがあるなら、夫婦げんかの範囲を超えている可能性もあります。
DVには身体的な暴力だけでなく、ののしる、人格を否定するような暴言などの心理的な攻撃も含まれます。つらさを感じているのに「自分が気にしすぎなのかも」と思い続けると、状況を冷静に見にくくなることがあります。不安がある場合は、信頼できる人や相談窓口に話してみることも考えましょう。