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難病「膿疱性乾癬」に苦しむ7歳息子、全身に発疹、高熱、感染を誤解され… 母「普通に接して」「受け入れられる社会であってほしい」

古川 諭香 古川 諭香

「うつるのではないかと誤解され、接触を避けられるとつらいです。できるだけ普通に接してもらえたらうれしいです」

指定難病「膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)」の息子さん(7歳)を持つchi31123306さん(@chi31123306)は、当事者家族の思いを打ち明ける。

患者数がとても少ない「膿疱性乾癬」とは、どんな病気なのか――。具体的な症状や当事者家族が歩んできた道のりを伺った。

生後5カ月だった息子の皮膚に現れた“異変”

息子さんは生後5カ月頃に突然、耳の裏や首周り、脇に発疹が現れた。保湿剤やステロイド薬を塗るも発疹は悪化。広範囲に、ただれが見られるようになった。

病院での培養検査で、息子さんの膿疱は無菌性であることが判明。膿疱は体中にでき、赤く腫れあがり、高熱も出た。

「膿疱がつぶれたところは、皮膚が固い皮となって剥がれる。すごく痛そうでした」

高熱が続く中で、病院から告げられたのは「膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)」の可能性があること。膿疱性乾癬は、乾癬患者のうち約1%にしか見られないと言われている皮膚病。突然の発熱や無菌性の膿疱が全身にできるという特徴が息子さんの症状と一致していた。

「病名が分かって正直、ホッとしました。でも、治らない指定難病なんだ…とショックを受け、先が見えないことを不安に感じました」

全身のケアに毎日30分かかっていた6年間

6歳まではステロイドと内服薬による治療を続けていたが、悪化と快方を何度も繰り返していた。

「一度悪化すると、1カ月くらい痛みやかゆみが続きます。当時は悪化の度合いや部位によって、ステロイドや保湿を7種類ほど使い分けていました」

7歳になった今は、年齢的に使用可能になった生物学的製剤で治療している。生物学的製剤とは、過剰に働く免疫物質を特異的にブロックする免疫抑制・抗炎症薬のこと。治療法を変更してからは皮膚の状態が悪化することは、ほぼなくなった。

また、皮膚の状態も変化。ステロイド薬と内服薬で治療していた頃は副作用で皮膚が薄くなり、少しぶつけたり、こすれたりしただけで内出血ができていたが、今は内出血ができにくい皮膚に戻ってきた。

ただ、毎日のケアは欠かせない。全身には保湿剤を、部分的に見られる膿疱にはステロイド薬を塗る。

「小さな膿疱でも見逃さず、早めにステロイドを塗って広がりを抑えています。毎日、朝晩の全身チェックは必要ですが、6歳までは全身のケアに30分ほどかかっていたので、親子ともに負担は減りました」

希少疾患「膿疱性乾癬」の認知度を高めたい

息子さんには、2人の兄がいる。兄たちには小さい頃から遊ぶ前に、「弟の皮膚はこうだけどうつらないよ」と説明してきた。兄たちは、皮膚が回復する過程で剥がれた古い皮膚が部屋に落ちていると、「大きい宝物みっけ!」と拾ってくれることがあったという。

柔軟で優しい兄たちの行動を、chi31123306さんはうれしく思った。

膿疱性乾癬は患者数が少ないため、認知度は低い。無菌性で感染しないことや急激な悪化時には入院治療が必要になることもある“命に関わる乾癬”であることも十分に知られていないのが現状だ。

「同じ病気の人がどれほどいるのか調べましたが、小児で発症している人は見つかりませんでした」

だからこそ、chi31123306さんは息子さんの病気をブログやSNSで発信し始めた。

「同じ状況の親御さんは子どもの治療や毎日のケア、生活の制限など多くのことが不安だと思います。そうした不安を少しでも和らげられるよう、これからも発信を続けていきたいです」

そう話すchi31123306さんは教師と連携しながら、安全に息子さんが学校生活を送れるように工夫もしている。

「治療により、生ワクチンの予防接種は禁忌。先生たちと情報共有し、はしかや水ぼうそうなどの感染症が同学年で出た時にはすぐ連絡をいただけるようにお願いしています」

息子の肌が受け入れられる社会であってほしい

指定難病の医療費助成はあるけれど、この先、息子が社会に出た時、就労や経済面での継続的なサポートは受けられるのだろうか――。将来を想像すると、そんな悩みはどうしても浮かぶ。

皮膚疾患は、「うつる」と誤解されることもある病気。だからこそ、chi31123306さんは正しい知識が広まるように情報発信を続けつつ、周囲から受け入れてもらう努力をすることの大切さを息子さんに話している。

息子の肌が受け入れられる社会であってほしい――。その願いは、chi31123306さんにとって原動力でもある。

見た目で判断しない社会を築くには、まず“知ること”が大切だ。膿疱性乾癬のように見た目から誤解されやすい病気があることを知れば、不必要に距離を取るのではなく、相手を理解しようとする視点を持つこともできるはず。さまざまな病気への理解を深めることは、当事者や家族が安心して暮らせる社会への第一歩となる。

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