昨今の賃上げの流れは、若者の将来観にどのような影響を与えているのでしょうか。株式会社GA technologies(東京都港区)が運営するAI不動産投資サービス『RENOSY』が実施した「初任給と投資に関する新社会人の意識調査 2026」によると、社会人1年目の6人に1人が初任給「30万円以上」となり、約9割が“給与”で企業を選んでいることがわかりました。
調査は、2026年の新卒男女(社会人1年目)377人および、2025年4月の新卒男女(社会人2年目)435人を対象として、2026年3月にインターネットで実施されました。
はじめに、「月の給与の総支給額(額面)」を尋ねたところ、(※2)「初任給が30万円以上である」と回答した割合は、社会人1年目が17.2%、2年目が10.4%となり、社会人1年目が2年目を6.8pt上回り、6人に1人は初任給30万円以上を受け取る予定であることがわかりました。
また、「就職先選定時の初任給の重要度」については、社会人1年目が90.4%、2年目は73.1%という結果になり、なかでも「非常に重視した」と回答した社会人1年目は43.2%にのぼり、2年目の15.4%を大きく上回ったことから、社会人1年目にとって“高い初任給”は、企業選びにおける欠かせない条件になっていると推測できます。
さらに、「企業の賃上げの流れによって、将来は安泰だと感じますか」という質問に対して「安泰である」と回答した割合を見ると、社会人1年目の71.6%に対して、社会人2年目では41.8%にとどまり、1年目と2年目で差が見られました。
続けて、「初任給額に対する評価」を調べたところ、社会人1年目の過半数が「多い」(52.0%)と感じているのに対して、社会人2年目では半数近くが「ちょうどいい」(47.8%)と感じることが明らかとなりました。
同社は「社会人1年目は高水準な初任給により、心理的ゆとりを生んでいると考えられます。その一方で、社会人2年目は1年間の社会人生活を通じ、物価高による生活費の負担や、実際の“手取り額”を体験したことで、金銭面により慎重になっていると考えられます」とコメントしています。
最後に、「資産形成に対する考え」を尋ねたところ、「資産形成の経験がある(現在行っている/経験はあるが現在は行っていない)」とした割合は、社会人1年目で86.7%、2年目で62.1%に達しました。これに関心層を加えると、社会人1年目は94.7%、2年目は89.9%となり、社会人1年目と2年目の9割が投資に関心を持っていることがわかりました。
この背景として同社は、「高校生に向けた金融教育の開始から4年が経ち、資産形成に関する情報を目にする機会が増えたことで、学生時代から投資に関心を持ち、実際に行動に移す“投資の早期化”が加速しているのでは」と推察しています。
なお、「資産形成に対して経験または関心がある理由」については、社会人1年目、2年目ともに「将来への不安」(1年目13.7%、2年目17.6%)が最多となりました。
社会人1年目のほうが多くなった項目としては、「物価上昇への備え」(同13.4%、11.3%)、「お金の知識をつけたい」(同11.2%、7.4%)、「転職・起業をしたい」(同11.2%、5.1%)などが挙げられ、社会人1年目にとっての資産形成は、将来への漠然とした不安への備えに限らず、自分の将来の選択肢を広げるための「自己投資・成長の手段」と捉えられていることがわかりました。
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【出典】
▽RENOSY調べ「初任給と投資に関する新社会人の意識調査 2026」