「じいじがスゲェ遺産を残してくれました」
そんな言葉とともに投稿された1本のInstagram動画が、今大きな反響を呼んでいる。
投稿したのは、野澤一樹さん(@kazuki_diy_dream)。祖父が残した築50年の古い平屋を、たった50万円の予算とDIY未経験で“北欧風の家”に生まれ変わらせようというのだ。
「壊したほうが早い」と思った。それでも手放せなかった理由
野澤さんが平屋を受け継いだのは、祖父が亡くなって数年経った頃だった。最初に見た印象は正直なところ、「これは壊して建て直したほうが早いな」というものだったという。しかし、家の中に残された“ホコリをかぶった工具”や作業机を見た瞬間、胸の奥がざわついた。
「じいじが一生懸命ここで何かを作っていた姿を思い出しました。このまま放置するのは、じいじに申し訳ないと思ったんです」
祖父の残した家、残した道具。「必要なものはすでに全部揃っていた」と気づき、DIYでの再生を決意した。
決意の裏には、祖父との“大切な思い出”
幼い頃、野澤さんはよく祖父の仕事場(工場)に遊びに行ったという。おもちゃも、工作道具も、祖父に頼めばなんでも形にしてくれた。
「自分には作れないものでも、じいじは大体何でも作ってくれた。だから今回、自分でも“作ってみたい”と思ったのかもしれません」
祖父と過ごした時間が、今の挑戦の原動力になっている。
最初の作業は片付け。予算50万円で「一番の不安は…」
現在は、リノベというより“片付け”がほとんど。まず手を付けたのは玄関だという。そして最大の不安は、予算の壁。
「残置物の処分だけでも相当なお金がかかりそうで…。とにかく予算内に収められるかが一番の不安です」
天井からリノベを始める予定だが、基礎の状態、雨漏り、配管など、クリアすべき問題も多い。
「応援」「アドバイス」が続々 “見守りたい”人が急増
投稿には大量の反響が寄せられている。
「捨てればゴミ、直せば宝物。じいじも見守っていますよ」
「シロアリ・雨漏り・電気漏電だけは絶対チェックを!」
「じいじ、絶対喜んでる。100日以上かけていいから大事にしてあげて」
野澤さん自身も驚くほどの反応だったという。
「こんなに見てもらえるとは思ってなくてびっくりしています。でもコメントひとつひとつが、本当に力になっています」
リノベが完成したら…「そこでの暮らしをまた発信したい」
完成後の暮らしについて尋ねると、野澤さんは静かに語ってくれた。
「落ち着いたら、また一人暮らしをしたいと思っています。ゆったり過ごしながら、その暮らしも発信していきたい。DIYはこれからもずっと続けるつもりです」
祖父が残した平屋が、孫の手によって新しい命を宿し始めている。100日でどこまで変わるのか…その挑戦を応援する声は今も増え続けている。