子どもが登校を嫌がる「行き渋り」は、不登校に至る前段階のサインとして社会的な関心が高まっています。株式会社こうゆう(埼玉県さいたま市)が運営する『花まる教育研究所』が実施した「子どもの行き渋り」に関する実態調査によると、子どもの行き渋りをきっかけに、6割が「働き方の変更」を検討していることがわかりました。加えて、約4人に1人が「夫婦関係の悪化」を感じており、子どもの行き渋りが保護者の働き方や家庭関係にも影響を及ぼしている実態が明らかになりました。
調査は、花まるグループ提供サービスの会員及びフォロワーで小学生以上の子どもを持つ親219人を対象として、2026年3月にインターネットで実施されました。
調査の結果、子どもの「行き渋り」を経験したことがある保護者は全体の61.6%となりました。「行き渋りの理由」としては、「友達関係」(42.2%)、「先生との相性」(39.3%)、「子ども自身が理由を説明できていない」(33.3%)が上位となり、複合的な要因が背景にある可能性がうかがえました。
また、子どもの行き渋りについて「相談した」保護者は94.8%で、具体的な相談相手としては「学校の担任」(79.7%)、「配偶者」(71.1%)、「スクールカウンセラー」(53.1%)が上位に挙がりました。
しかし、相談した結果、39.1%が「行き渋りは改善していない」と回答し、相談は広く行われている一方で、状況の改善につながっていないケースも少なくない実態が明らかになりました。
さらに、45.9%が「現在も行き渋りが続いている」と回答。一方、54.1%は「過去にあったが現在は改善している」と回答しています。
次に、「子どもの行き渋りをきっかけに退職や勤務時間の調整など働き方の変更を検討したことはありますか」と尋ねたところ、60.0%が「検討した」と回答しました。
働き方の変更を検討した保護者のうち、「実際に働き方を変更した」と答えた人は72.8%に達し、具体的には「勤務時間を減らした」(62.7%)、「在宅勤務へ変更」(37.3%)、「退職し専業主婦・主夫になった」(15.3%)が上位となり、子どもの行き渋りが保護者の就労や働き方にも影響を及ぼしている実態がうかがえました。
また、子どもの行き渋りをきっかけとして「夫婦関係が悪化した」と答えた保護者は26.6%で、その理由としては、「相手が理解していないと感じた」(63.9%)、「精神的な余裕がなく強く当たってしまった」(58.3%)、「自分ばかり負担していると感じた」(41.7%)といった回答が上位に並びました。
最後に、子どもの行き渋りへの対応について「何をすればよいかわからないと感じたことはありますか」と尋ねたところ、88.2%が「ある」と回答。
また、行き渋りに関する学校からの情報やインターネットなどの情報についても、「足りなかった」と回答した保護者は80.8%にのぼり、以下のようなコメントが寄せられました。
▽理由が、よくわからない。聞き出した方がよかったのかどうかもわからない(中学生以上の父)
▽本人に寄りそうべきか、嫌でも行かせて本人に嫌なことに対応できる力をつけさせるべきか、正解がわからない(小2の母)
▽子どもの感情に引っ張られてしまい親自身も苦しくなる。それにより家庭内の雰囲気が悪くなり、悪循環になる(小5・中学生以上の父)
▽専門医にもっと早く相談だけすればよかった。体のことなのか心のことなのか複合なのか家族や学校の先生に相談しても思い当たる原因が見つからなかった(中学生以上の母)
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これらの調査結果を踏まえて同研究所は、「子どもの行き渋りは決して特別なことではなく、どの家庭にも起こりうるものだと感じています。子ども自身その気持ちをうまく言葉にできないことも多く、向き合う保護者の多くが迷い、試行錯誤されているのが現実です」と説明。
そのうえで、「本来、子どもは家庭だけで育つものではなく、学校や地域、社会のつながりの中で育っていくものです。行き渋りについても同様で、親だけが抱え込むのではなく周囲の大人や社会全体で支えていく仕組みを整えていくことが、これからますます重要になると考えています」と述べています。