アメリカ在住の「Aya Rowe🇺🇸 納豆屋」(@AyaRowe)さん(以下、Ayaさん)は、日本に帰国中、アメリカ人の旦那さんに腹が立つことがあり家を飛び出しました。
プチ家出をして向かった先は、石和温泉(山梨県笛吹市)にある『桔梗屋信玄餅工場テーマパーク』内の工場見学です。そこでAyaさんが見たのは、レーンにどんどん流れてくる「桔梗信玄餅」のビニール風呂敷を黙々と包む人たち。
手作業で風呂敷を結んでいることを知り、「とてもありがたい気持ちになりました。今後、信玄餅を食べるたびに、桔梗屋さんの工場の方々が職人技で一つ一つラッピングしていた様子を思い出すことになりそうです」と、職人さんたちの技にすっかり心が晴れたAyaさんが、工場の動画をXに投稿すると220万回表示されるほど注目されました。
「普段何気なく食べているお菓子も、実際に工場を見学すると、その裏にある工夫や人の手の仕事を知ることができ、味わい方が少し変わるように感じました。今回の見学を通して、信玄餅が長く愛されている理由の一端を垣間見られた気がします」とAyaさん。
ちなみに、Ayaさんはボストンで納豆屋さんを営んでいて、自身も工場で納豆を製造しています。「どのように商品が作られているのかを知るのも好きですし、ロボットと人間の役割分担を観察するのもおもしろいです。それから、工場は都市部から少し離れた場所にあることが多く、行くだけでちょっとした『遠足気分』を味わえるので、子どもの頃に少し戻ったような気がしてワクワクします」と、工場見学が大好きだと話します。
今回も桔梗信玄餅の手作業でのラッピングとその速さに、「すごいですよね。指がいたくなってしまわないか心配でした」とコメント。アメリカにも工場見学ができる施設はあるものの、日本のようにあらかじめ見学できるように設計されているところは多くないので興味深く思ったとのこと。「桔梗屋の工場では、機械にそれぞれ名前がついていたのもおもしろかったです」と教えてくれました。
桔梗信玄餅は山梨のお土産を作ろうと開発されたもので、添加物を使わずつくられており、ミネラル豊富な濃い黒蜜がつくのも特徴の和菓子です。桔梗信玄餅をつくる桔梗屋の担当者さんにお話を聞きました。
――手作業で風呂敷を結ぶのはなぜ?
桔梗信玄餅の開発時、包装は日本のお菓子を思わせる風呂敷を採用しましたが、当時は商品を包装する機械がなく、またそれを新たに開発するお金もありませんでした。そこで仕方なく、手作業で包んで発売したことが始まりです。その包装も話題となり、今では手で包む風呂敷包みがトレードマークになっています。
――手慣れた様子で速いスピードで結んでいますが、1日に何個くらい結ぶのですか?
1日12万個製造しております。30名ほどのスタッフで包装しておりますので、単純計算でひとり1日4000個です。
――1人4000個!?すごいですね。結んでいるところを見学できるようにしたのは?
弊社は地域に密着した店作りを常に目指しています。工場も同様に、皆様にお召し上がりいただいているお菓子はどのように作られているのか、どのような環境で作られているのか、普段なかなか知ることができない工場内の様子を見ていただき、当社のお菓子に対する想いを知っていただきたく、積極的に工場見学をお受けしております。
「これ、売れるクオリティだよ」と言われ納豆屋をスタート
ボストンで納豆は人気なのかも気になり、Ayaさんに聞いてみました。
――ボストンで納豆を作るようになったのはなぜですか?
アメリカのアジア系スーパーで販売されている納豆は、日本から冷凍で輸入されたものが多く、新鮮なものと比べると風味や食感が落ちてしまうのを残念に感じていました。そんななか、コロナ禍で発酵食品作りにハマり、家でひたすら納豆を作っていたところ、あるとき友人に「これ、売れるクオリティだよ」と言われたのがきっかけで納豆屋を始めました。
――納豆は日本人でも苦手な人がいるので、アメリカで受け入れられるのか気になります。
私自身も驚いているのですが、だんだんと日本人以外のお客様が増えています。ボストンは学術都市ということもあり、「学ぶことが好きな人」が多く住んでいます。そのため、「納豆についての論文を読んだ」などの理由で買いに来てくださる方がちらほらいます。また、SNSの影響などもあり、若い世代の方々は納豆に興味を持ってくれることが多いです。
◾️Aya RoweさんのX https://x.com/AyaRowe
Ayaさんの納豆屋さん https://ayasculture.com