近畿日本鉄道が実施した3月14日のダイヤ改定では、大阪線の区間急行が復活したことも話題となりました。急行と比較すると、停車駅が増加した点が強調されがちですが、実際のところはどうなのでしょうか。実際に乗車し、確かめてみました。
48年ぶりに復活した区間急行
大阪線では3月14日から、区間急行の運行がはじまりました。区間急行は平日・土休日の昼間時間帯を中心に設定され、停車駅は大阪上本町、鶴橋、布施、近鉄八尾、河内山本、高安、河内国分、五位堂、大和高田、大和八木、桜井以東の各駅です。急行と比較すると、近鉄八尾、河内山本、高安が追加されました。
追加された3駅はもともと、準急、区間準急の停車駅でした。区間急行の設定により大阪側において、急行と区間準急は昼間時間帯から撤退しました。
また、区間急行は青山町駅までの運行となり、従来の昼間時間帯の急行のように伊勢方面には行きません。区間急行の本数は、1時間あたり上下各4本となり、従来の急行よりも1本増となっています。
大阪線の区間急行の設定は48年ぶりとなります。48年前の1978年ダイヤ変更では、区間急行が区間快速急行に格上げされ、消滅しました。
実際に区間急行に乗車した
3月14日に実施された特急の五位堂駅一部停車のセレモニーの後、五位堂駅から11時32分発大阪上本町行き区間急行に乗車しました。6両編成で、先頭車のみ立ち席があり、他車両は7~8割ほどの座席が埋まっていました。前方に集中する理由として、鶴橋駅大阪上本町方にあるJR大阪環状線大阪方面ホームへつながる階段、大阪上本町駅の構造が考えられます。私は大阪上本町方から4両目に座りました。
11時39分に河内国分駅に到着。ここで、大阪上本町駅各駅停車に接続します。まとまった乗車がある一方、隣に止まっている各駅停車は空いていました。おそらく、各駅停車から区間急行への乗り換え客が多いのでしょう。11時44分に高安に停車、続けて河内山本、近鉄八尾に停車します。高安、河内山本では乗車が多い一方、近鉄八尾駅では降車も目立ちました。
近鉄八尾駅周辺には、LINOAS(リノアス)やアリオ八尾といった商業施設があり、買い物客も多いように感じました。布施駅に停車後、11時58分に鶴橋駅に到着。ここで、大半の乗客が区間急行から降車します。大阪難波駅へは向かい側の奈良線・難波線の電車に乗り換えです。なお、私が乗車した区間急行は五位堂~鶴橋間は特急に抜かれず、鶴橋先着でした。
昼間時の区間準急がなくなった分、高安駅、河内山本駅での乗車客の多さが目立ちました。また、近鉄八尾駅でまとまった降車があったことから、お買い物客を考慮すると、現在の区間急行の方が昼間時利用者の心を、とらえるのではないでしょうか。
ダイヤ変更により香芝市の区間急行通過駅が便利に?
五位堂駅への特急一部停車のセレモニーでは、三橋和史香芝市長から「香芝市にある近鉄下田駅、二上駅、関屋駅の利便性も向上する」旨の発言がありました。しかし、区間急行もこれら3駅には止まりません。3駅の利便性向上について、近鉄に尋ねました。
それによると、平日昼間時間帯において、河内国分駅で必ず区間急行と各駅停車が接続するようになった、とのこと。従来の河内国分駅での、急行と下位種別との接続は「絶対」ではなく、利用者にはわかりにくいものでした。そこで、整理し、「わかりやすいダイヤ」が実現しました。このように、主要駅以外の立場から見ると、ダイヤ変更の意外なポイントが発見できます。