動物と暮らす中で得られる学びは、想像以上に多い。ミントさん(@mintbellmama)はソマリという猫種に一目惚れしたことから、愛猫ウルくんをお迎え。
ウルくんは、初めての猫ライフを送るミントさんに猫の愛くるしさや命の尊さを教え、20歳の誕生日を目前にした2026年2月8日、天国へ旅立った。
一目惚れしたソマリを迎えて“初の猫飼い“に
愛犬シオンくんと暮らしていたミントさん。ある日、動物病院を受診した際、さまざまな猫種が描かれているポスターを見て、ソマリという猫種に一目惚れ。
それからしばらく経った2006年4月、愛犬のフードを買いにブリーダー業も行うペットショップへ行くと、憧れのソマリがいた。
「店に出したばかりだという、生後45日目の子猫でした」
これは、もう運命。早くに母親と離されたことも可哀想…。そう思い、お迎えを即決した。プレゼントした名前は、「ウル」。ウルくんはミントさんが話しかけると必ず「ん〜」と返事をしてくれたそうだ。
「家族には甘えん坊だけど、他猫や犬に対しては大人な対応をする子でした。子猫の頃には、なぜか私のことだけ「おあーにゃん」と呼んでくれました」
ウルくんは、ミントさんの肩に乗って2階の寝室へ行き、髪を揉むことがルーティンだったという。
「ソマリは瞳孔が開きやすい子が多く、ウルも獣医さんが驚くほど大きくてまん丸な目をしていたので、目に傷がないか、よく観察してました」
日常の中ではブラッシングにも気を配り、抜け毛ケア。換毛期に合わせ、年2回ほどのシャンプーも行っていた。幸いウルくんはドライヤー好きで、ケアがしやすかったという。
教育的指導をすることも!先住犬や後輩猫と育んだ絆
先住犬シオンくんとの関係性は良好。シオンくんは、ウルくんの母親代わりになってくれた。
ウルくんを迎えた2年後、ミントさんはアビシニアンのレイくんをお迎え。シオンくんとウルくんは温かく受け入れてくれた。
特に印象に残っているのは、子猫だったレイくんに対するウルくんの関わり方。ウルくんはレイくんが眠っている間に和室とリビングを猛ダッシュ。絨毯の下に潜り込みもした。
「珍しい行動だなと思っていたら、目覚めたレイと追いかけっこをし始め、絨毯に潜りました。レイが寝てる間に遊びの練習をしてたのかなと思い、かわいくて」
ウルくんは一緒に遊ぶだけでなく、教育的指導も行ってくれたそうだ。ある日、レイくんはミントさんの行動を見て、リビングに置いた鉢植えの土を触ろうとした。
すると、ウルくんは高いところから飛び降り、レイくんの前足をパンチ。その後、レイくんは二度と土を触らなかったそうだ。
健康優良児の愛猫にしていた“ハイシニア期のケア”
ウルくんは健康優良児だったとミントさんは話すが、健康が維持できていたのにはミントさんの愛あるケアも大きく関係している。体重が減り始めた16歳の冬には、17歳の誕生日を迎えられるようにとの願いを込め、もふもふの王様マントと王冠を制作。
以後、毎年11月から3月までは寒さで体調を崩さないよう、室温管理や保温を心がけた。
19歳の誕生日が間近に迫った頃には時折、粗相が見られるようになったため、おむつを装着してもらうように。ただ、トイレへ行こうとする気持ちはあり、おむつをしたまま、急ぎ足でトイレへ行くこともあったという。
「その姿もかわいかったです。オムツが汚れるとすぐ鳴くので、家族の誰かが必ずそばにいるようにしていました」
食欲は、ハイシニアになっても旺盛。19歳の頃も、ドライフードを好んで食べてくれた。ただ、消化が悪くなってきたことに気づき、柔らかいフードをあげる機会を増やしていったという。
「子猫の時から好きだった粉ミルクは、毎晩用意しました。毎日、『ミルクを作れ』と鳴いて呼びに来てたので、よほど好きだったんでしょうね(笑)」
ペットロス後の支えになったのは“日本神道の死生観”
20歳の誕生日が間近に迫った2026年2月、ウルくんは衰弱し、動けなくなっていった。水やご飯は少し舐める程度。ミントさんは連日、徹夜で寄り添った。
「亡くなる2日前の朝、オムツを替えていたら、いつもは近づいてこない同居猫が寄ってきてチュって挨拶しました。最期が近いことに気づいたんだな…と思いました」
別れの日となった2月8日、ウルくんはミントさんが少し手を離すたび、「撫で続けて」と鳴いたそうだ。その気持ちに応え、声をかけながら撫で続けていると、徐々に鳴き声が出なくなり、心拍数が遅くなっていった。
「息をしてないように見えたので、持っている聴診器で確認したら心臓はすごくゆっくり動いていて…。家族みんなで名前を呼び、何度も『ありがとう』と伝えました」
ウルくんのお骨は、全て灰にした。父親から教わった日本神道の死生観である「生き物は早く土に還すこと」が心に刻まれていたからだ。
「お骨が手元に残らないので、亡くなった後はすぐにウルの写真を額に入れ、家族が毎日、目にする場所に飾りました。私は日本神道の死生観によって、ウルは守り神になってくれると思っています」
ペットは、人に何かを教えに来てくれている――。子供の時から幾度となく、ペットの死を経験してきたミントさんはそう思いもし、ペットロスの痛みと向き合う。
「私にとってウルは、猫の素晴らしさを教えてくれた癒しの存在。ペットは我慢、忍耐、優しさ、人として反省するべきところを教えてくれる神のような存在でもあると思います」
生の尊さや死の悲しさも教えてくれる、動物の家族。その命を最期まで愛し抜くことは、飼い主にできる精一杯の恩返しなのかもしれない。