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「滋賀はあまり作家がいなかったけど、今は強いですよ!」 直木賞作家と歌手の“赤裸々トーク”で大盛り上がり

国貞 仁志 国貞 仁志

 京都府出身の直木賞作家と京都市在住の「昭和歌謡」ヒットシンガーが2025年12月下旬、中京区の地下街ゼスト御池で開かれたチャリティーイベントで「異色」のトークショーをおこなった。

 2022年に「塞王の楯」で直木賞を受賞した大津市在住で木津川市出身の今村翔吾さん(41)と、1971年にリリースした「真夏の出来事」のヒット曲で知られる平山みきさん。

 初対面という2人だが、それぞれクリスマスにちなんだチャリティー事業に取り組む。

 今村さんは2023年から困窮家庭の子どもへ寄贈を受けた本を届ける「ブックサンタ」の活動に尽力する。

 平山さんは2011年の東日本大震災をきっかけにゼスト御池でチャリティーイベント「ジングルウイーク」を催し、収益の一部を用いて被災地の子どもたちにクリスマスツリーなどを贈る活動を続けている。

 作家と歌手。それぞれの道を歩んできた2人ならではのトークに会場は盛り上がった。

筒美京平さんの譜面

 普段本は読まないという平山さんだが、今村さんの原作を基にドラマ化された動画配信大手ネットフリックスの「イクサガミ」を見て、今村さんの世界観を感じ取ったという。

 トークは、今村さんの書く時代小説、歴史小説が比較的細部まで描写する理由から有名な作家や作曲家の“悪筆”に話が広がった。

 今村さん「(細部まで描写するのは)一つは、僕は北方謙三先生や浅田次郎先生にかわいがってもらうんですけど、あの先生たちは手書きです。僕らはパソコンで書いていて、消せるって思うから書きすぎちゃう」

 「林真理子さんの字は個性的で、原稿読める人は各社もう1人ぐらいしかいない。林さんどころじゃないのが、石原慎太郎さん。ミミズが這っているような字だったそうです」

 平山さん「私、歌を歌ってるでしょ。筒美京平さんという作曲家(「真夏の出来事」も作曲)がいるんですけど、その人の譜面も(なかなか)読めないというすごい方です。もうなんか、(音符が)『点』なので。それを読める方がいて譜面がつくれるという感じでした」

運が大切

 今村さんが直木賞など数々の賞を受賞していることに、平山さんは興味を抱いた様子で「運ですか、縁ですか」と質問。2人が語った大切な要素は、いみじくも共通していた。

 今村さん「小説に限らず、日本人って努力ばっかり言いがちですよね。これは必要だと思います。才能も一定必要だと思う。ただ、円グラフにした時に大きいのは、今おっしゃった運だと思うんです。運は縁に近いなと常々言ってますし、直木賞を取ったことに関してもこのメンツやったら取れなかったというのもあるんですよ」

 平山さん「(受賞作に)選ばれたというのは、私は運だと思う。努力もあるしいろんなものもあるけど、(努力が)あっても駄目なときは駄目なんですよ。私も同じだと思います」

書店経営

 今村さんは、作家として活躍するかたわら東京、大阪、佐賀で自ら書店を経営し、書店文化を守る取り組みにも力を注ぐ。一方、京都や滋賀でなぜ店舗を出さないのか。そんな疑問に、今村さんはユーモアを織り交ぜつつ義理堅さを感じさせる回答を繰り出した。

 今村さん「大阪の箕面の書店を事業承継して、作家ですけど書店のオーナーでもあるんです。佐賀と東京の神保町と3店舗やらせてもらっています。いま住んでいる大津市から言われるんですよね、なんで大津にないんやと。京都からも、なんで出身の京都にないんやと」

 平山さん「なんでないの」

 今村さん「(京都に本社がある)ふたば(書房)さんと大垣(書店)さんがいるから邪魔せんとこうと思って。ぶっちゃけ気を遣いますね(笑)。滋賀県で言うと、南草津駅にふたば書房さんがあるんです。僕らの出店構想からしたら、南草津は外れてます」

 平山さん「今村さんは本当に昔から、デビューしてすぐぐらいから、ふたばさんや大垣さんにはお世話になっているんですよね」

 今村さん「僕が作家になって初めてサイン会をさせてもらったのがふたば書房さん、大垣さんには翌年ぐらいに呼んでいただいたのかな」

 平山さん「喜んでるんじゃないですか、地元(の作家)だから」

 今村さん「京都は作家が多いんですけど、滋賀県はあまりいない。でも「成瀬」で本屋大賞を取った宮島(未奈)さんがいる。今、滋賀県は強いですよ。凪良ゆうさんも滋賀の出身なんで。関西は、作家が多い方かもしれません」

大河ドラマに

 最後に、今村さんが今後の目標を語り、約30分間のトークショーは幕を閉じた。

 今村さん「世界に届く時代小説というのはずっと言っていたんで、それはある意味、一回(達成)できた。あと国内で僕はどうしてもやり残していることがあって。それが大河ドラマの原作ですね。近々で言えば京都(市)の消防本部から表彰してもらった火消しの小説(羽州ぼろ鳶組)がアニメ化されて、1月11日からTBS系の地上波で放送されます。時代劇をアニメで。そういうふうに見てもらったら(会場に来ているお客さんにとっても)楽しいと思います」

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