「稲葉さんの聖地で歌うのは格別」と話すのは人気ロックバンド「B'z」のボーカルで岡山県津山市出身の稲葉浩志さんのものまねタレント中村素也さん(50)=長野県。津山市中心部の元魚町商店街で7月に開かれたライブに出演した。
いらない何も 捨ててしまおうー。ライブは「LOVE PHANTOM」をはじめ、「ultra soul」「イチブトゼンブ」「ルート53」など定番曲やソロ曲のオンパレード。熱烈な〝稲葉ファン〟が集う津山ならではの選曲と、目を閉じればまるで本人そのものの歌声で約200人を沸かせた。
自身もファン歴34年。好きが高じて17年前、テレビのものまね番組に応募したのが活動の始まりで、稲葉さんに敬意を込め、歌詞に託された思いを想像しながら一音一音を丁寧に歌う。「B'z、稲葉さんを好きになってほしい。クオリティーを上げてライブに行ったような感覚を味わってもらえたら」
津山には特別な思いを抱く。稲葉さんの実家・イナバ化粧品店(津山市川崎)などゆかりの地は何度も足を運んだ。ライブを企画した市民団体「B'z津山を盛り上げる会」とは2018年からつながり、出演依頼があるたびに快諾している。
今回も「どこかで稲葉さんが見てくれているんじゃないか」と力が入ったが、実は本人に会ったことがない。憧れの人との対面を夢見て、芸を磨き続ける。