江戸、明治期の海運を担った「北前船」の寄港地として栄えた岡山市東区西大寺地区の歴史をPRしようと、西大寺高の3年生グループが地元の老舗和食店「味恒」と一緒に北前船をテーマにした定食を考案した。北前船で運ばれた昆布やサケのほか、コチやノリなどの地魚や地元産品を使った料理を北前船に見立てた舟形の器にふんだんに盛り付けている。同店で提供中。
2024年6月、北前船にゆかりのある自治体で構成する日本遺産に、「西大寺会陽」や「西大寺観音院」(東区西大寺中)など地元文化財が追加認定された。グループのメンバー3人は地域課題解決の授業で、食を通じて寄港地としてにぎわった西大寺の歴史を知ってもらおうと定食づくりを企画。昨年6月から同店の協力を得て開発し、打ち合わせや試食を重ねて半年以上かけて完成させた。
定食は「西大寺廻船馳走(ちそう)」。日本遺産構成文化財の郷土料理「コチめし」をイメージした炊き込みご飯と約15種類のおかずを組み合わせた。サケのみそ漬け焼きや昆布巻き、九蟠で取れたノリとアミエビを加えただし巻き卵、エビフライなどで、和洋さまざまな味をバランス良くまとめた。岡山特産・黄ニラの吸い物も添えている。
昨年12月に同店で教員や地域住民ら約10人が参加し試食会が開かれた。生徒は「コチめしを一工夫して炊き込みご飯にした」「西大寺出身の川柳作家時実新子さんが好んで食べたアミエビを使った」などのこだわりを説明し、参加者は「おいしい」と料理に舌鼓を打っていた。
メンバーの三宅和磨さん(18)は「特別な日のご馳走に、家族や友人と一緒に楽しんでほしい。定食を通して西大寺の食文化の魅力を感じて」と話している。
販売は5月10日まで。1食2500円。量が少ない「小舟版(1500円)」もある。3日前までに味恒(086―942―5876)に予約が必要。