2022年12月9日の夜、静まり返った自宅に響き渡ったのは1匹の子猫の悲痛な叫び声でした。声の主は、キジ白の男の子「そぼろ」くん。極寒の中で消え入りそうな命を救おうと保護を決意したInstagramユーザー「おかかとそぼろの成長記録」さん(@okaka.soboro.onigiri)。しかし、その先に待っていたのは一筋縄ではいかない険しい道のりでした。
氷点下に近い寒さの中で震える子猫を発見
始まりは、自宅の外から聞こえてきた激しい鳴き声でした。様子を見に行くと、物置の下で子猫がしきりに鳴いていました。
「風邪で呼吸が荒く、ガリガリに痩せていて、目やにで片目が閉じていました。周辺に母猫やほかの子猫の姿はなく、このまま寒空の下で過ごすのは危険だと思い、家で保護することにしました」
自力で子猫を保護するのは初めての経験。無事に抱き上げるまでには4時間を要しました。衰弱した体を診てもらうため、すぐに夜間の動物病院へ。猫風邪の治療を受け、目立った外傷はないとの診断を受けて、ひとまず自宅へ連れ帰りました。
「猫エイズ」が判明 手探りの隔離生活
翌日、改めてかかりつけの動物病院を受診。しかし、外で怖い思いをしてきた影響か、家に来てからも鳴き止まない日々が続きました。
「保護してさらに怖い思いをさせてしまったかもしれないと思い、その日はできるだけそっとしておきました。我が家には同じく元保護猫の『おかか』がいるため、血液検査の結果が出るまでは別室で過ごしてもらうことにしました」
後日、精密なウイルス検査の結果が判明。そぼろくんは猫免疫不全ウイルス(FIV/猫エイズ)に感染していることがわかりました。先住猫への感染リスクを考慮し、隔離生活を継続。当初はシャーと威嚇したり、ソファの下に隠れて逃げ回ったりと、心を閉ざした状態が続きました。「家での生活がかえってストレスになっているのではないか」と悩んだ時期もあったといいます。
それでも、有識者に相談しながら慎重に距離を縮めていくと、少しずつ変化が見られるように。環境に慣れ、遊びにも興味を示すようになったタイミングでおかかくんと対面させました。互いの様子を見ながら少しずつ慣らしていくことで、やがて一緒に過ごせるようになり、威嚇も次第に見られなくなりました。
「おやすみ」に返事をしてくれる喜び
現在のそぼろくんは、3歳を迎えました。人間に対してはまだ距離感が不安定な部分もありますが、先住猫のおかかくんのことが大好き。どんなことがあってもめげることなく、仲良く過ごしています。
「最近では、『おやすみ』と声をかけると返事をしてくれるようになりました。とても嬉しいです。実は私は猫アレルギーがあり、新たに猫を迎える予定はありませんでした。夫とも『敷地内でどうしても保護しなければならない状況の猫でない限り、保護はしない』と話していたんです。そんな矢先に出会ったのが、そぼろでした」
保護から3年以上が経過した現在も、FIVの発症はなく元気に過ごしています。今、飼い主さんが抱く思いとはーー
「うちを見つけてくれて、そして頼ってくれたのだと思うと胸がぎゅっとなります。このまま元気に過ごしてもらえるように、大切に育てていきたいです」
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「おかかとそぼろの成長記録」
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