親との関係は、選ぶことができない運命のようなものです。しかし、自分の将来を左右する大きな決断までもが、親の一言で閉ざされてしまうこともあります。山野しらすさんの作品『高校への進学を毒親に反対された娘の末路』は、高校進学を肉親によって反対された知人の体験を描いています。
この物語は、共働きの両親を持つある家庭の話です。両親は働いてはいたものの、共にお金の管理が苦手でした。借金こそないものの家には常に余裕がなく、そんな両親の姿を間近で見てきた娘は、「自分はああなりたくない。人生を切り拓くには勉強が大切」と、親を反面教師にして中学生活を送ります。
勉強に部活にと励む日々は楽しく、両親とは切り離された場所で「自分の幸せ」を感じられることが何よりの喜びでした。しかし、中学卒業を控えた進路相談の場で、平穏な日常は一変します。
「女に学歴なんか必要無い」父親から放たれたのは、あまりにも時代錯誤で理不尽な反対の言葉でした。進学よりも裁縫や料理を身につけろと強要する父に対し、主人公は「私にどうなってほしくてそんなことを言うの?」と訴えます。
しかし、その必死の訴えも父にとっては口答えとしか捉えられません。激しく怒鳴りつける父を前に、正攻法での説得は不可能だと悟った彼女は、母親に助けを求めます。すると母親からは「あの男はね、どんなことでも反対しなきゃ気が済まないんだから」と言い、さらに「黙ってやっちゃえばいい」と意外な解決策を提示するのでした。
読者からは「酷い偏見だ!!」「子どもを見下したり自分を超えられたくない毒親っているみたいだね」など、父親への非難の声が多くあがっています。そんな同作について、作者の山野しらすさんに詳しく話を聞きました。
置かれた環境で苦しむ人たちへ
ー同作を描こうと思ったきっかけがあれば教えていただけますでしょうか?
知人の実体験をベースにしております。「放置子に迷惑をかけられた」話は良く見かけるのですが、実際の「放置子」目線のお話はあまり見かけないなと思い、描こうと思いました。
ー「女に学歴なんか関係ない」「裁縫や料理を身につけろ」という強烈なセリフに込めた意図は何だったのでしょうか?
これもまさに実際に知人が父親に言われた言葉なんです。「お前が男だったら進学を快く許していた」とも言われたそうです。この話自体は平成の出来事なのですが、令和でも同じように理不尽に耐えている方がいるかもしれない、どうかそれに対しておかしいと声をあげられる世の中であってほしいと思い、セリフを強調しました。
ー同作で一番伝えたいことは何でしょうか?
私がこのシリーズで伝えたいことは「幸せになることを諦めないで欲しい」ということです。今で言う親ガチャ(あまりこの言葉は好きではないのですが)や置かれた環境で辛い思いをしてる方はたくさんいると思うのですが、どうか、幸せになることを諦めずに、前を向いて生きていって欲しいと願っています。
<山野しらすさん関連情報>
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▽ブログ『しらす大盛りブログ』
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▽電子書籍「放置子しおりシリーズ (全16話)」(Amazon)
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