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「殺人現場!?」深夜、人気ラーメン店の惨状に驚き なぜこんなことに…?

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

「今から帰る。が、
 先に寝てて。に、
 変わりました」

神奈川県川崎市にあるラーメン店「田中にぼる」さん(@tanakaniboru)が、自身のXにて、店内がとんでもない状況になってしまったことを写真付きで報告。

「殺人現場かと思った」など、驚きの声があがっています。

 田中さんの公開した写真を見ると、何やら赤黒い液体が、テーブル、床、椅子などに飛び散り、店じゅうが血まみれになっているようにも見えます。ただ、この液体はチャーシューをつけるための醤油ダレとのこと。

「カウンターから1人ずつ撃ち殺したわけでは無いよ…」と、店主の田中さんもコメントしています。

殺人現場ではないとのことで、ひと安心。とはいえ、それでも惨状であることには違いありません。Xのリプ欄にも、心配するコメントが多数寄せられました。

「な……一体…なにが起きたんですか」
「酔っ払いでも暴れたのかと思った」
「怪我はありませんか?」
「脂っこいから掃除が余計に大変ですね」

アツアツのタレを容器に入れて密封したところ、中身が噴出!!

しかし、なぜこんなことになってしまったのでしょうか…?

田中さんに詳しい経緯について聞きました。

事が起こったのは12月某日の午後10時40分頃。

田中さんは、定例のチャーシューダレの仕込みを行っていました。

「使用したタレは、漬け込んでいたチャーシューを引き揚げた後、火にかけてかなり煮詰めて、醤油を足してまた使っています」(田中さん)

普段は夜営業の最中に作っていましたが、この日は忙しかったため、店を閉めてコンロが空いてから作業を行ったそうです。

いつもなら、タレは火にかけた後、冷ましてから耐熱性のプラスチック容器に移し替えて保存しているとのこと。ところがこの日は、時間が遅くなってしまったこともあり、火にかけた後すぐに容器に移し換え、蓋をしてロックをかけ密閉。その状態で、カウンターに「ドン」と置きました。

その時でした――。容器の内圧が上がり、みるみるうちにパンパンに膨れ上がったかと思うと、容器と蓋の隙間から、中身がスプリンクラーのように吹き出してきたといいます。

田中さんは慌てましたが、あまりの熱さに触れることができず、タレが噴射される体感10秒ほどの間、その様子を遠巻きに眺めるしかなかったといいます…。

実は、この日の翌日は、お子さんの保育園の発表会で店を臨時休業にする予定で、田中さんは早く家に帰るつもりでした。

にもかかわらず、思わぬハプニングに見舞われてしまった田中さん。奥さんに急遽「先に寝てて」と連絡し、清掃作業に追われる羽目に。

タレの中には肉の脂などが入っており、拭いてもなかなか落ちず苦労したそうです。40分ほどかけてしっかり掃除を済ませたつもりでしたが、2日後に出勤したところまだかなりのベタベタが。アルバイトの女性の方にいつもより早く来るようにお願いし、1時間ほどかけて掃除してもらったといいます。

なおその日、奥さんにその時の店の状況を写真で送ったところ、「え?なにこれ?事件現場?」という反応が。帰宅して遅くなってしまったことを謝ったところ、「しょうがないよ」と優しく許してもらえたそうです。

なぜ中身が!? 恐ろしい「過熱」の現象

ですが、なぜ突然、容器の中身が飛び出してしまったのでしょう?

田中さんのXには、「過熱」という現象が起こったのではないかと指摘する声もありました。

過熱とは、液体を熱した際に、その成分や加熱条件などによって、沸点を超えても沸騰しなくなる物理現象。しかし、それに振動などの衝撃を加えると、液体は突沸を起こします。

田中さんは、熱々になったタレを耐熱容器に入れ、密閉した後、カウンターに少し勢いをつけて置いたとのこと。その時の衝撃で、過熱状態にあったタレが急激に沸騰し、容器の内圧が急激に上昇、圧力に耐えられなくなった容器は変形し、容器と蓋との隙間からタレが勢いよく飛び出してしまったのかもしれません。

めずらしい現象ではありますが、非常に危険な状況でもあります。

田中さんが今回の事態に見舞われてしまったのは、普段の「加熱したタレを冷ます」という工程を、急いでいるあまりに飛ばしてしまったためでした。

焦って横着をしてしまったがために、余計に面倒な事態になってしまうというのは、往々にしてあることですね。

一般家庭でも、過熱は電子レンジで水を加熱した時など、しばしばみられる現象だといいます。

調理中は十分に注意しなければいけません。

大変なことになったものの…結果プラスにはたらくことも!?

一時は大変な思いをしてしまった田中さん。

しかし、それを「常連さん向けのちょっとした話題」としてSNSに投稿して大きくバズったところは、ある種「けがの功名」といえるかもしれません。

似たような経験を、田中さんは以前にもしたことがあるといいます。

「9月にあった豪雨で店が浸水した際、その模様を投稿したら今回と同じようにネットでバズったことがありました」(田中さん)

被害当日の夜中に田中さんが店の清掃に追われていたところ、常連さんがどんどん集まって一緒に掃除をしてくれたといいます。さらには、店の周辺に人だかりができてしまったことで、テレビの人の目に留まり、その様子が取材・放送されることになったとも。

  ◇  ◇

「田中にぼる」は、グルメポータルサイト・食べログが実施する“ラーメンKANAGAWA百名店”に選出されたり、“ラーメンWalkerグランプリ”の神奈川エリアで銅賞を受賞するなど、広く注目を集めるラーメン店です。

「今回の(投稿の)件も含めて少しずつ知名度が上がり、お客さんも増えて助かってます」(田中さん)

■「田中にぼる」のX(旧Twitter)はこちら
 →https://x.com/tanakaniboru

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