視力検査でおなじみの「ランドルト環(視力検査のCマーク)」がくっきり映ったものとボヤっと映ったもの、2枚の画像を並べて「どっちも上と答えてください」と文言が添えられた投稿に、Xで注目が集まっています。
投稿したのは、「ドクターK@眼科医パパ(@doctorK1991)」というアカウントで眼に関する情報を発信している眼科医・栗原大智さん。「これ、隙間が開いているか分かるか検査しているので、隙間が分かれば答えてください」という投稿の文章に、「答えていいの!?」「知らなかった」と驚きの声が相次ぎました。
医師としてSNSで発信する狙い
栗原さんがこの投稿を行った理由は、視力に問題があることを自覚していない人に「目を向けてもらうきっかけをつくること」だったそう。
「一番の狙いは“自分の目は良いと思い込んでいる人”に注目してもらうことです。『眼科検診へ行きましょう』と普通に伝えても、多くの方はスルーしてしまいます。しかし、誰もが見たことのあるランドルト環を使って“違和感のある画像”を提示すれば、『ん?どういうこと?』と指を止めてもらえると考えました」
投稿が多くの人の目に留まるよう、文章表現にも工夫し、この2枚の画像を並べたといいます。
SNSで眼に関する啓発活動を6年ほど続けてきた栗原さんですが、医師の言葉が想像以上に伝わりにくいことを痛感しているそう。
「医師が“簡単だろう”と使っている言葉でも、患者さんにとってはまだまだ理解が難しい。一方で、平易な言葉を使うと誤った解釈につながることがあります」
視力検査は"隙間が判別できるか"で良い
ランドルト環による視力検査では「隙間が判別できるか」が重要。しかし意外と知られていないため、この啓発を行ったといいます。実際に投稿には、「今までは穴の空いている方向がはっきり分からないと『分からない』と答えていた」という声が多く寄せられました。
「『なんとなくで答えて、ってそういう意味だったのか』というコメントもありました。検査する側と検査される側の前提知識に差があったと思うので、これが解消される手助けができて良かったと思います」
栗原さんいわく、ほかにも視力検査に関して広く誤解されていることがあるのだとか。
「“視力検査で問題がなければ目の病気はない”と考える人がいます。しかし、視力検査だけでは分からないこともあります。例えば、視界に欠けている部分がないかなどは視力検査では分かりません。視力はあっても、緑内障が進行していると視野が大きく欠けており、運転など日常生活に支障が出ることがあります」
そのため栗原さんは、視力が良くても「眼圧や眼底のチェックは別」という認識を持って、ぜひ眼科を受診してほしいと話します。
現代の日本人が気をつけるべき“目の問題”
著書『スマホ時代の眼メンテナンス』を出版している栗原さん。近年はスマホの影響で目の不調が増えているといいます。
「特に、ドライアイ、眼精疲労、近視の進行などが挙げられます。こういった不調にいち早く気付き、対処することで生活に支障なく過ごすことができると思っています」
デジタル化が進む現代では長時間のスマホ使用を避けることが難しいため、対策として2つの方法を栗原さんは推奨しています。
1つ目は、目の不調を未然に防ぐために世界的にも推奨されている「20-20-20ルール」というもの。
「20分間近くを見たら、20秒間、20フィート先(約6m)先を見るというものです。20分間で一区切りすることで、集中力も続きますし、一石二鳥だと思います。これは目の不調がある場合にも有効です」
2つ目は、すでに不調が出ている場合に“目を温めるケア”を行うこと。
「医学的には『温罨法』と呼ばれるものです。ホットアイマスクを使って、1日2回、1回につき5分以上、目を温めます。これによってドライアイや目の疲れを緩和します。ホットタオルは途中で冷めてしまうため、ホットアイマスクがおすすめです」