後を絶たない高速道路上の逆走を防ごうと、西日本高速道路と本州四国連絡高速道路は、岡山県内のインターチェンジ(IC)とジャンクション(JCT)計6カ所で対策の強化に乗り出す。過去に人身事故が発生したり、逆走が多発したりしているポイントが対象。路面からの突起物で逆走車に異音と衝撃を与えて気付かせる新たな装置などを整備する。2028年度までの対策完了を目指す。
6カ所は国の「重点対策箇所」に指定された場所で、早島IC(山陽自動車道、瀬戸中央自動車道)岡山IC(山陽道)美作IC、作東IC、勝央JCT(中国自動車道)有漢IC(岡山自動車道)。両社によると該当箇所では17~24年に逆走が計15件発生し、対向車と正面衝突したケースもあった。
新たな装置は「路面埋込型ブレード」の名称で、突起物の上を逆走車が通ると「ガタン」という音と衝撃がドライバーに伝わる仕組み。逆走車に直接警告できるため、高い効果が期待できるという。正方向で通過した場合は突起が沈み込んで反応しない。
併せて視覚的な警告も強める計画で「あなたは逆走」「×逆走×」と記した看板を道路脇に立てたり、「転回禁止」の路面表示を増やしたりして注意を促す。
両社は対策に併せて県内で発生した過去の逆走事例を分析。原因の多くは道間違いで、高速道路の出口に誤進入したり、反対車線に入ったりしていた。全体の6割に当たる9件が65歳以上の高齢者だった。
両社は「高速道路での逆走は重大事故に直結する。撲滅に向けて取り組みを着実に進めたい」としている。