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「バイキン扱いですかぁ?」←イベント開催時に「近いからと病院トイレを使わないで」元患者が悲痛な訴え「なぜダメかを知って欲しい」

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

入院患者の多くは、投薬等で「免疫が極端に低下した子どもたち」

蒼衣さんが小児患者として「埼玉県小児医療センター」に入院していたのは、同院がさいたま市岩槻区にあった頃のこと。

長年封印してきた当時の辛い記憶が蘇ると共に、今回の件をXに投稿した入院患者の保護者の方の心境が、元当事者として痛いほど理解できたという。

「あの親御さんは今回の件を目撃した際、私が長々とXに投稿したことが一瞬で頭の中を駆け巡ったと思います。あくまでも30年前の記憶ですが、個人差が極めて大きいものの、とくに内科病棟にいる子どもの多くは投薬で免疫機能が低下し、感染症のリスクが飛躍的に高くなっています。

私の場合、病態が最重度の時はナースステーション横の個室に入り、何かあればすぐスタッフが駆けつけてくれる環境でした。感染症対策のため、親とスタッフ以外は部屋に入れず、基本的に窓も開けられず、トイレもお風呂ももちろん禁止。排泄はベッド横の移動式トイレ、部屋の洗面台での歯磨きも出来ず、点滴は24時間つなぎっ放し、そもそも足で立つことを許されず、上体を起こしていることすら基本的に禁止で、起きていると看護師に叱られるような状態でした」(蒼衣海子さん)

感染症対策なしの部外者の侵入はNG!なぜ?

今回の投稿に対して、「たくさんの方が、『病院に入るな、そこは子どもたちの命がかかっている場所だ』と注意喚起して下さっていることに救われています。本当にありがとうございます」と、Xにポストしていた蒼衣さん。

「当時の私は、強力な薬を点滴と内服で大量に投与されて免疫機能が極端に下がっており、インフルエンザ等の感染症にかかれば命の危険がかなり高い状態でした。長期間の治療に耐え、少しずつ回復してくれば大部屋に移され、病棟内であれば行動も基本的に自由になります。でも、いつまた悪化するかわからない以上、油断は出来ません。

命の危険がある子どもたちが病棟内にたくさんいる限り、院内の感染症対策はもっとも病状の重い子に合わせて万全にしなければならないのです。これこそが外部から、しかも感染対策なしの一般の方に絶対に病院内に入って来てほしくない最大の理由なんです」(蒼衣海子さん)

「そこまでして生きたいの?」「バイキン扱いですかぁ?」

一方で、「そこまで治療して生きたいの?」「30年前からマスクマスク騒いでたんですか~?」「来る人みんなバイキン扱いですかぁ?」といった、投稿の意図を理解しようともせず、入院患者やその家族を冒涜するような声も寄せられたという。

「いろんな意見があることは理解しています。ただ、病院と無関係な人物が外部から入って来たらどうなるか?を考えてみてほしいんです。私の場合、病態が悪い時は車椅子に乗せられ、1階のレントゲン室に向かいました。レントゲン室といっても、CTスキャン、MRI、デキサーなど色々な機材があり、検査毎にそれぞれの部屋に行くため、いったん1階の病棟外に出て、外来やお見舞いなどで訪れる一般の人もいる廊下を通ります。

私が入院していた旧医療センターだと、この時に免疫機能が極端に落ちた私たち患者が一般の方とすれ違い、その人たちの呼気などを通して、外部からのウイルスや細菌に感染するリスクがありました。

現在の『埼玉県小児医療センター』は構造上、そういったことはないと思いますが、病院の入り口が2階にあり、一般の方がトイレ等の利用で2階にいる間に、外部から来たお見舞いの保護者の方や医療スタッフを介して、入院中の子どもたちに感染症を移してしまう、という可能性はあります。こういったことから、なぜ病院と無関係の人間が不用意に院内に侵入することがダメなのか?を理解してもらえるかと思います」(蒼衣海子さん)

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